02213_会社ぐるみのネット誹謗中傷に勝つには──企業を守るための名誉毀損対応、失敗と成功の分かれ目
はじめに──実名の会社なのに「誰か分からない」? 中傷犯は“法人名の奥”に潜んでいる 「当社の評判を貶める虚偽の記事が、ライバル関連会社のブログに掲載されている。しかも代表者の名前は出ているが、住所はわからない」 インターネット上に企業の名誉を毀損する虚偽の事実が書き込まれた際、経営者や法務担当者が直面するのは、「発信...
はじめに──実名の会社なのに「誰か分からない」? 中傷犯は“法人名の奥”に潜んでいる 「当社の評判を貶める虚偽の記事が、ライバル関連会社のブログに掲載されている。しかも代表者の名前は出ているが、住所はわからない」 インターネット上に企業の名誉を毀損する虚偽の事実が書き込まれた際、経営者や法務担当者が直面するのは、「発信...
これまで4回にわたり、「円建てステーブルコイン実用段階―ドル建て1強に風穴 3メガ・JPYCの2陣営に―越境送金へ弾み」という2025年11月8日付日経新聞の記事を契機に、「従来の仮想通貨=(信用性が不安な)一般企業が振り出す約束手形」「ステーブルコイン=デジタル預手」という視点から、新しい決済インフラがもたらす未来と...
これまで、信託銀行などが発行する「デジタル預手(=信頼できるステーブルコイン)」が、証券決済、貿易金融、不動産取引、サプライチェーンの現場を劇的に効率化する未来図を描いてきました。 スマートコントラクトが契約を自動執行し、決済リスクも事務コストもゼロになる――。 しかし、なぜこの便利な未来は、今すぐに実現するか、という...
QuestionとProblemとIssue。 いずれも、日本語では「問題」とか「課題」となりますが、それぞれ意味が違います。 “question” は、一義的に定義されうる答え(正解、模範解答)が想定される問題で、正解を要求される問題ないし課題です。 学生が要求される問題はたいていこれです。 知識や、解法を知っていれ...
想定外、では済まされない 想定外が起きたとき、人間の本性、そしてプロフェッショナルの本質が露わになるものです。 とくに、法務の現場ではそうです。 「想定していませんでした」と口にした瞬間、その者がプロかどうか、正体がはっきりと見えてしまうのです。 ある企業に対して、監督当局から厳しい指導上の要求が突きつけられたときのこ...
勝てる経営者だけが知っている企業法務の真実 企業法務の現場は、甘くありません。 法廷での争いにしろ、合意形成にしろ、契約交渉にしろ、それらはすべて「戦い」と言って差し支えない、濃密で過酷な局面の連続です。 「どうすれば勝てるか?」――知る人ぞ知る戦い方、勝てる経営者は当たり前のように実践している、生々しく残酷なまでの真...
企業が弁護士に求めるものは、危機の局面で実直に動いてくれる“プロフェッショナル”との信頼関係でしょう。 ところが、ときに、その信頼関係を自ら破壊してしまう企業は少なくありません。 今回は、教科書には載らない、しかし企業にとっては死活的に重要な「契約と信頼のリアル」について、実例をお話ししましょう。 信頼の上に成り立つ「...
「あの弁護士、嘘をついていないか?」――その疑いこそが危うい 法務の現場で、ある依頼者が言いました。 「最近、ウチの弁護士の発言、前と矛盾している気がするんです」「もしかして、あの人、何か隠していませんか?」 もちろん、疑念を持つこと自体は自由です。 しかし、そこには、依頼者として決定的な認識のズレがあります。 弁護士...
重要な交渉や和解協議の場に、私たち弁護士はあなた方の代理人として同席します。 その場面で、あなたの弁護士が、唐突に、極端に、声を荒らげ、相手方に強い語気で迫るのを見て、あなたはこのように不安に思ったことはありませんか? 「うちの弁護士は、本当にそこまで怒っているのか?」「感情的になって、交渉を壊してしまわないか?」「い...
民事裁判に関わっていると、つくづく感じるのは、「裁判というものは人間くさい制度だな」ということです。 とりわけ控訴審ともなると、そこに立ちはだかるのは、「神様のような存在」としての裁判官です。 神様といっても、雲の上から何もかもお見通し、というわけではありません。 むしろ、好き嫌いやこだわり、嗜好のはっきりした、一人の...