02263_企業法務ケーススタディ:「覚えていない」は危険な一言_海外当局の尋問で崩れる“日本式の言い逃れ”
「そんな昔の話は、記憶にございません」 日本の裁判や国会の答弁などでお馴染みの、この魔法の呪文。 日本では、これを唱えればのらりくらりと追及をかわせる便利な「透明マント」として機能しがちです。 しかし、海外の規制当局や司法当局の尋問において、この“日本式の言い逃れ”を使った瞬間、そのマントはあなたを重罪(偽...
「そんな昔の話は、記憶にございません」 日本の裁判や国会の答弁などでお馴染みの、この魔法の呪文。 日本では、これを唱えればのらりくらりと追及をかわせる便利な「透明マント」として機能しがちです。 しかし、海外の規制当局や司法当局の尋問において、この“日本式の言い逃れ”を使った瞬間、そのマントはあなたを重罪(偽...
「あれは現地の担当者が勝手にやったことです」。 海外子会社での不祥事発覚時、日本では通用しがちなトカゲの尻尾切りの弁解ですが、欧米の規制当局(特に米国司法省など)には絶対に通用しません。 それどころか、この日本式の「自己保身ロジック」を唱えることは、「我が社は一介の担当者が勝手に違法行為を行える...
「しまった! 裁判所に出す書類の提出期限が昨日までだった!」 取引先が破産し、裁判所から届いた「債権届出書」。 真面目な法務担当者ほど、これに1円単位で正確な金額を記入し、期限内に提出しなければと使命感に燃えます。 しかし、他の業務に忙殺され、うっかり提出期限を過ぎてしまったらどうなるでしょうか...
「ウチの会社にはもう、担保に出せる不動産も機械もありません。あるのは私個人が死んだときに入る生命保険くらいです」 資金繰りに窮した中小企業の社長が、苦し紛れに最後に差し出してくる「自分の命にかけられた保険金」。 回収のプロとしては「ならばそれを担保(カタ)にもらおう」となるわけですが、生命保険の保険金請求権...
「ウチの会社の悪口をネットに書きやがって! 弁護士の先生、すぐに犯人を特定して、損害賠償と刑事告訴のフルコースをお願いします!」 怒りに震える経営者は、すぐさま弁護士という名の「重戦車」を前線に投入しようとします。 しかし、ネットトラブルの法的解決という戦場は、皆さんが思っている以上に泥濘(でいねい)に満ち...
「元の契約書と1文字でも違ったら大変だ!」と、目を皿のようにして校正作業に没頭する法務担当者。 その真面目さと几帳面さは立派ですが、時として「重箱の隅をつつく妖怪」と化し、ビジネスの足を激しく引っ張ることがあります。 特に、公証役場で作成する「公正証書」の文面チェックにおいて、元の合意書と「中黒(・)」の有無や言葉の順...
「メーカーの勝手な都合でハシゴを外された。おまけに、とばっちりを受けた顧客からは理不尽な返品を迫られている」 代理店ビジネスにおいて、上流(メーカー)と下流(顧客)の板挟みになるのは宿命のようなものです。 しかし、顧客からの「お願い」という名のプレッシャーに屈し、自腹を切って返品を受け入れるのは...
「いざ訴えてやる!」と意気込んで訴状を書こうとした瞬間、法務担当者は戦慄します。 「あれ? 名刺の住所に会社がない。代表者の名前も登記簿に載っていない」。 相手は、最初から逃げる準備をしていた「幽霊」だったのか? しかし、諦めるのはまだ早い。 探偵のように登記の森を歩けば、「名前の一...
出向は、便利です。 人材を活かし、取引先との関係を強め、グループ内の最適配置を実現できます。 経営にとっては、実に使い勝手のよい制度です。 ところが、トラブルが起きた瞬間、その便利さは一転します。 出向元、出向先、本人。 三者が絡み合い、責任の所在が曖昧になり、感情だけが先行する。 そして飛び出すのが、「懲戒解雇だ」と...
「裁判で負けた? じゃあ、成功報酬は払わなくていいな。顧問契約も解除だ」。 コスト削減の鬼として知られる管理本部長が、敗訴を機に弁護士費用の“仕分け”を行いました。 しかし、これは「虎の尾」を踏む行為でした。 現代の民事裁判において、判決での敗北は、多くの場合「和解の拒否」という経営判断の失敗...