02150_非公式な話を公式に流されないために、弁護士ができること_情報戦時代の名誉と信用
たとえば、こんな場面を想像してみてください。 あなたのもとに突然、記者から一本の電話がかかってきます。 「そちらの報酬について、不当な要求があったと、当事者の方からうかがっているのですが……」 耳を疑うような内容です。 (そんな話は聞いていない。事実無根。むしろ円満に話が進んでいるはず――。) ところが、あなたの名を挙...
たとえば、こんな場面を想像してみてください。 あなたのもとに突然、記者から一本の電話がかかってきます。 「そちらの報酬について、不当な要求があったと、当事者の方からうかがっているのですが……」 耳を疑うような内容です。 (そんな話は聞いていない。事実無根。むしろ円満に話が進んでいるはず――。) ところが、あなたの名を挙...
法務というのは、どこか「外に頼ればなんとかなる」と思われがちな領域です。 そして、法については、「困ったときはプロに任せるべきだ」というのも、ビジネスの鉄則でしょう。 とはいえ、それは「任せ方」さえ間違えなければの話です。 「誰に」「どう頼むか」が明確であってこそ、初めて成立するのです。 ある会社が、ガバナンス不全と悪...
企業がキャンペーンや懸賞を行う場面は、広報・販促の現場で日常茶飯事となっています。 さて、「賞金」や「受賞」というフェーズでは、企業側にとって、思わぬ落とし穴があります。 たとえば、・年齢確認の抜け落ち・受賞者が18歳未満だった場合の対応・賞金の送金に伴う個人情報の取扱いなど、「見落としがちな論点」が次々と浮かびます。...
法務デューデリジェンス、通称「法務DD」。 M&Aやファンドレイズの現場では、欠かすことのできない調査項目のひとつです。 この法務DD、投資検討段階では、どこまで“重”装備する必要があるのでしょうか。 実際の現場での扱われ方は、少々異なっているように思われます。 たとえば、投資案件が持ち込まれ、投資判断が下される前の場...
1 警察から会社に連絡がきたら、まず心がけるべきこと ある日、警察から会社に電話がかかってきた――。 こう聞くと、「うちは関係ない」「そんなこと滅多にない」と感じる方もいるかもしれません。 けれども実際には、企業が思いがけない形で捜査機関の関心を受けることは、決して珍しくありません。 そして、そんな突然の要請に、現場が...
ある会社での話です。 経営会議の場で、役員のひとりがこう言いました。 「この案件、正式な契約はまだだけど、先に動いてしまおう」「一昨日、ゴルフに行ったんだけど、先方のトップ以下3名が了解してたから、大丈夫でしょ」 その場では、誰も強く反対せず、話は流れていきました。 法務担当者も出席していましたが、何も言いませんでした...
法務デュー・ディリジェンス(法務DD)は、M&A、投資、事業再編などの取引において、対象会社や対象事業ないし取引の法的なリスクや課題を洗い出すために実施される重要なプロセスです。 ビジネス弁護士にとっては、普段、何気なくやりはじめ、なんとなく形にして、終わらせてしまいがちな法務DDのプロセスを、理論的かつ段階的...
最近では、リモート会議の普及により、TeamsやZoomなどのツールを使って会議を行う機会が増えています。 移動の手間がなくなり、多拠点とのやり取りもスムーズになるなど、リモートならではのメリットも大きい一方で、記録の扱い方に関して新たな課題が生まれています。 特に問題となるのが、チャットログと正式な議事録、そしてAI...
営業現場や経営会議では、スピードを重視するあまり、「とりあえず口頭で合意」する場面がよくあります。 けれども、その「言ったつもり」「聞いてない」が、あとになって高額な損害賠償リスクへと化けることがあります。 たとえば、ある中堅メーカーでの話です。 営業部長が、ある取引先の要望に応えるかたちで、「価格は従来どおりで、納期...
議事録は「ただの記録」ではない ある会社で、こんなトラブルがありました。 数か月前の取締役会で、「新商品Aを3か月以内にローンチする」という方針が共有されたはずでした。 ところが3か月後、計画は大きく遅れ、「誰が、どこまでやるか」が曖昧なまま、プロジェクトは大幅に遅れ、立ち往生していたのです。 原因をたどると、議事録の...