02123_法律の解釈は、立場によって変わる—経営の判断軸をぶらさないために
ビジネスの世界では、どの選択肢を取るかによって、同じ法律でも解釈が変わります。 これは、商売の値付けの考え方に似ています。 たとえば、老舗の製造業が新商品を開発し、価格を決めようとしているとしましょう。 営業部門は、「まずは市場に出しやすい低価格で勝負すべきだ」と考えます。 一方、財務部門は、「利益率を確保するために、...
ビジネスの世界では、どの選択肢を取るかによって、同じ法律でも解釈が変わります。 これは、商売の値付けの考え方に似ています。 たとえば、老舗の製造業が新商品を開発し、価格を決めようとしているとしましょう。 営業部門は、「まずは市場に出しやすい低価格で勝負すべきだ」と考えます。 一方、財務部門は、「利益率を確保するために、...
雇用関係は、結婚と似ているとよく言われます。 最初は「この人と一緒に働きたい!」と思って契約を交わしますが、いざ関係を解消しようとすると、思った以上に手続きが厄介だったり、相手が納得しなかったりして、スムーズに進まないことが多いからです。 たとえば、恋愛なら、気持ちが冷めたら「ごめん、別れよう」と言えば、それで終わるか...
先日、顧客から雇用契約書のチェックを依頼されました。 契約書を確認してみると、契約更新に関する記述が少し曖昧な表現になっていました。 企業側の意図としては「更新は確約しない」つもりだったのでしょうが、文面だけを見ると、社員側が「当然更新されるものだ」と思い込む可能性があるものでした。 こうした曖昧な契約書が原因で、後に...
<事例/質問> 当社は、□□機械と共同で新しい部品の開発を進めていました。 両社で技術情報を共有しながら試作を重ね、最終段階に入ったところで、□□機械から突然「やはり自社単独で開発を進める」との連絡がありました。 それだけでなく、当社が提供した技術をもとに□□機械が特許出願をしていたことも発覚しました。 当社の立場と...
会社の顧問弁護士は、契約のチェックからトラブル発生時の対応まで、企業の法的な安全を守る重要な役割を担います。 その業務は、大きく「日常的な法務サポート」と「トラブル対応」に分かれます。 たとえば、企業経営を船の航海にたとえると、顧問弁護士は「海図を読む専門家」です。 普段は、安全なルートを確認し、危険を避けるアドバイス...
契約書を作成するとき、1文字違うだけで意味が大きく変わる言葉があります。 その代表例が「清算」と「精算」です。 どちらも「せいさん」と読むため、つい混同しがちですが、契約上はまったく別の意味を持っています。 この違いを理解していないと、契約の内容が意図しないものになり、その後トラブルにつながる可能性があります。 例えば...
契約書を作るのは、最後の最後です。 いきなり契約書を交わそうとする人がいますが、それでは順序が逆。 肝心の中身が決まっていないのに契約書を作ったところで、あとから矛盾や問題が噴出するのは目に見えています。 では、契約書の前に何を考えるべきか? 具体的には、以下のようなものが必要になります。 これらがしっかり固まったうえ...
海外で法務デューデリジェンス(DD)を進める際、「資料収集の責任は誰が負うのか?」という問題が浮上することは珍しくありません。 例えば、依頼者としては、弁護士事務所との契約(Engagement Letter)に、資料収集の役割分担を明確にしておきたい。 しかし、弁護士側は「基本的に資料収集は依頼者の責任であり、我々が...
契約書のレビューを依頼する際は、質問の仕方が重要です。 特に、経済条件の設計がゲームプランの鍵を握る場合、経済合理性が維持されている限りは問題ありません。 しかし、訴訟になったときの条件を明確にしておかないと、大きなリスクを抱えることになります。 たとえば、「月額●●●●ドルで弁護士費用を支払う」とだけ決めていると、訴...
一般民事事件で、ある日、クライアントから「最高裁に上告されました!」と相談がありました。 まあ、よくある話です。 とはいえ、上告された側としては気になりますよね。 「相手はどんな理由で上告してきたのか?」と。 そこで、上告理由書(正式には「上告受理申立理由書」)を入手しようと、最高裁の担当書記官に問い合わせました。 す...