01977_“パワハラ”事案を知ったときの会社対応

全体・概括として、・パワハラ罪やパワハラ禁止法というものは、法律的に明確な定義は存在しません。・“パワハラ”というものは、不定形で抽象的なものであり、被害者側が、5W1Hを含め、具体的な事実関係と違法性を主張として、固めるまでは、(言い方は不適切かもしれませんが) 会社側としては腕組みして待っていれば足りる話です。・そ...

01971_任意整理と民事再生は別物その4_小規模個人再生

一般論として、「小規模個人再生は、8割カット、らくらくチャラ」(額にもよります)というように、いわれます。 そこで、任意整理を希望する債務者が、再生計画を 「小規模個人再生」を”参考尺度”として考えがちですが、そもそも、その前提は働きません。 債権者に対して、「小規模個人再生だと、このくらいチャラにされるのだから、これ...

01970_任意整理と民事再生は別物その3_小規模個人再生と給与所得者等再生

個人再生は、民事再生の1つです(民事再生法221条以下に規定がある手続き)。 個人再生には、「小規模個人再生手続」「給与所得者等再生手続」2つの種類があります。 個人商店主や小規模の事業を営んでいるオーナー経営者を対象とする「小規模個人再生」は、主にサラリーマンを対象とする「給与所得者等再生」とは、別物です。 給与所得...

01958_労働審判の特徴

「労働審判」は、「裁判」 ではなく、「審判」という、ある意味、司法作用とは「ちょいと違うし、まあ、モノホンのガチンコ裁判ではなく、後から本格的裁判で争うことも可能な、テストマッチというか、前座というか、亜流の裁判モドキ。だから、裁判とは違う、ちょいと雑で、スピーディーで、独裁チックなことやってもいいよね?」みたいな風体...

01947_定年を過ぎた従業員との雇用関係を切断・排除するということ

就業規則上の定年は60歳、継続雇用は65歳までとなっている会社で、満65歳を過ぎた従業員を雇用していました。 当該従業員については戦力として必要ない、と考えたオーナー経営者は、 「問題があってね。退職勧告を含めて、どのような段取りですすめたらいいだろうか」と、弁護士に相談をしました。 「退職勧告をして当該従業員に辞めて...

01946_紛争事案を依頼する前の作業

紛争の原因は1つと思われがちですが、ほとんどの紛争は、複数の事象が複雑に絡み合って起こります。 裏を返せば、1つの紛争には複数の事象が存在します(*)。 さて、紛争事案を弁護士に相談する際、依頼者が予め準備するものの1つとして、 「事実関係を時系列で整理する」というものがあります。 「なんだ、そんなことか」と言う依頼者...

01945_雇用保険被保険者離職票修正におけるトラブルの対処行動

雇用保険被保険者離職票は、離職者における失業保険算定上の基礎資料となります。 従業員が退職意思表示を示し、雇用保険被保険者離職票の交付を会社にもとめてきた場合、会社は速やかに交付の手続きをしなくてはなりません(ハローワークが発行しますが、会社を通じてその手続きをすることとなります)。 さて、ある会社において、関連会社に...

01944_補助金事業における会計検査院による実地検査が入るとは

会計検査院の実地検査とは、会計検査院の調査官が、検査対象機関の事務所や事業が実際に行われている現場に出張し検査を行うことです。 対処を間違うと、公金詐欺としての事案立件、社名公表、今後の補助金事業からの締め出し等のリスクもあり得ます。 1 前提認識 「話せばわかる」 「多少のことに目をつぶってくれる」 「温和で、協力的...

01942_法務課題解決プランが複数同時に進行する弊害とトップの役割

企業が、ある法務課題について、顧問弁護士に支援を依頼し、具体的行動を計画・準備・着手し、顧問弁護士が代理人として対処している最中に、企業内にて、不協和音が生じることがあります。 ほとんどの場合、ある取締役(責任役員)が不安や不満を発し、複数の取締役(責任役員)に伝播し(あるいは、根回しらしきものが行われ)、進行中(フェ...

01941_オーナー経営者が弁護士起用の前に留意すべきこと_その2_役割分担設計

弁護士の起用については、その役割分担設計が、カギをにぎります。 弁護士の側にたってみる(弁護士視点)と、留意すべきことが明瞭となるでしょう。 たとえば、オーナー経営者が弁護士に対して「契約書の文言の違いを教えてほしい」と、助言を求める場合があります。 それは、交渉ごとの、作戦環境評価解釈のごく一部である契約書の文言の違...