02130_裁判所の「時間との闘い」と、弁護士が選んだ90秒の戦略

裁判所という場所は、想像以上に時間との闘いの真っ只中にあります。 どの法廷でも、朝から晩まで事件がびっしりと詰め込まれており、1件あたりに割り当てられる時間は本当にわずかです。 たとえば、ある民事事件の弁論期日では、午前10時から10分刻みで事件が組まれていくことも珍しくありません。 10時00分、10時10分、10時...

02129_スポット依頼は慎重に―顧問弁護士がいるなら、正しい手順と責任の線引きがカギになる

弁護士への依頼には、大きく分けて2つの形があります。 ひとつは、日常的な法律相談や契約書チェックなどを継続して依頼できる「顧問契約」。 もうひとつは、必要なときだけ単発で依頼する「スポット契約」です。 当事務所には、専門性や実績を評価いただき、大手の弁護士事務所でも手に負えなかった案件が、紹介を通じて持ち込まれることも...

02128_市区町村の「回答期限延長」は何を意味するのか

市区町村に対し、何らかの要望を求めた際、その回答がすぐに返ってくることはほとんどありません。 むしろ、「回答期限の延長」という連絡が届くことのほうが多いものです。 その際、よく耳にするのが、「議会に諮った上で回答する」という説明です。 そして、「●月●日までには返事をする」という形で、具体的な期限が伝えられるのが通例で...

02126_近視眼的な受任が事務所を潰す ―企業法務にこそ必要なスケジュールのミエル化―

日々の業務に追われていると、緊急の案件ばかりに意識が向いてしまいます。 今週の契約書のレビュー、今月の期日対応、株主総会対応、まずは目の前の期日をどう乗り切るか。 ある法律事務所でも、この「近視眼的なスケジュール管理」が、大きな失敗につながりました。 日々、慎重に見極めるべき企業案件の相談が次々と舞い込む中、事務所はと...

02125_倒産寸前の会社を守る弁護士チームとは? 名前ひとつで会社の未来が変わる

倒産が目前に迫った会社では、会社の命運を左右する「ガバナンス」を誰が握るかが重要になります。 そのために、相手へのけん制として弁護士を募ることは、一手として非常に有効です。 ここでいう「相手」とは、単に会社を狙う外部の第三者だけではありません。 たとえば、企業価値が落ちたタイミングで買収を狙う投資ファンドや競合企業など...

02124_経営者視点で考える組織の最適化_企業法務弁護士が提案する改革のヒント

企業経営において、適切な人員配置は非常に重要です。 役割が明確でバランスよく配置されていれば、業務はスムーズに進み、生産性が向上します。 しかし、企業が成長するにつれて、無駄が増えたり、業務の偏りが生じたりすることも少なくありません。 最近、ある企業の組織体制を精査する機会がありました。 その企業では、スタッフの業務を...

02123_法律の解釈は、立場によって変わる—経営の判断軸をぶらさないために

ビジネスの世界では、どの選択肢を取るかによって、同じ法律でも解釈が変わります。 これは、商売の値付けの考え方に似ています。 たとえば、老舗の製造業が新商品を開発し、価格を決めようとしているとしましょう。 営業部門は、「まずは市場に出しやすい低価格で勝負すべきだ」と考えます。 一方、財務部門は、「利益率を確保するために、...

02122_企業法務ケーススタディ:仕入れ先の見直しはボイコットか?独占禁止法の観点から考える

<事例/質問> 全国展開している外食チェーン3社の代表として相談させていただきます。 現在、当社を含む3社は、食材の仕入れ先として食品卸A社とB社の2社と取引しています。 しかし、近年の仕入れコストの上昇や供給の不安定さにより、仕入れ体制を見直す必要性が出てきました。 特にB社に関しては、価格の柔軟性が乏しく、供給の安...

02121_雇用は結婚と同じ。始めるのは簡単、別れるのは大変。

雇用関係は、結婚と似ているとよく言われます。 最初は「この人と一緒に働きたい!」と思って契約を交わしますが、いざ関係を解消しようとすると、思った以上に手続きが厄介だったり、相手が納得しなかったりして、スムーズに進まないことが多いからです。 たとえば、恋愛なら、気持ちが冷めたら「ごめん、別れよう」と言えば、それで終わるか...

02120_契約書の曖昧な一文がトラブルの火種に。「書いていないこと」もリスクになる。

先日、顧客から雇用契約書のチェックを依頼されました。 契約書を確認してみると、契約更新に関する記述が少し曖昧な表現になっていました。 企業側の意図としては「更新は確約しない」つもりだったのでしょうが、文面だけを見ると、社員側が「当然更新されるものだ」と思い込む可能性があるものでした。 こうした曖昧な契約書が原因で、後に...