02178_調整役はつらいよ:弁護士間の意思疎通_“火消し役”にあらず
依頼者にとっては“最強布陣”であるはずの複数弁護士による共同受任。 その調整役というと、「損な役回り」と思われがちですが、実のところ、“うま味”があるポジションでもあります。 依頼者との距離が近い弁護士がその役に就けば、関係者間の交通整理を通じて、案件の動線そのものを握ることができます。 全体を俯瞰する立場にもなりやす...
依頼者にとっては“最強布陣”であるはずの複数弁護士による共同受任。 その調整役というと、「損な役回り」と思われがちですが、実のところ、“うま味”があるポジションでもあります。 依頼者との距離が近い弁護士がその役に就けば、関係者間の交通整理を通じて、案件の動線そのものを握ることができます。 全体を俯瞰する立場にもなりやす...
企業法務の世界は、一般に「民事中心」と思われがちです。 実際、多くの法務担当者にとって、日々の関心は契約書のチェック、取引先との合意形成、社内規程の整備、労務管理といったところにあります。 ところが、企業法務のあらゆる場面に、“刑事事件のリスク”の芽がある、といっても過言ではありません。 しかも、そのリスクは、「悪意の...
ある企業で、顧問弁護士が交代しました。 契約関係やリスク対応を、より専門的に支えてくれる人材を求めての変更だったといいます。 社長としては、次のステージに進むための、前向きな判断だったそうです。 その「次のステージ」とは、具体的には事業承継でした。 親族への株式の引き継ぎを見据えて、支配構造を整理するフェーズに入ったの...
事業承継の現場には、法務だけでは語りきれない「感情のもつれ」がつきものです。 親子間のわだかまり。 兄弟姉妹の不公平感。 義理の家族との距離感。 たとえば、長男に会社を継がせると決めていた父親が、いざ引退の時期が近づいてくると、急に決断を先送りにしはじめる。 あるいは、会社を手伝ってきた長女が、いくら貢献しても「経営は...
企業では、「理解しました」という言葉がよく交わされます。 それがそのまま「同意があった」と受け取られてしまうことも、少なくありません。 しかし、法務の立場から見ると、「理解=同意」とは限りません。 たとえば、「Aという事実があったことは理解している。でも私はそれに納得していないし、同意もしていない」。 こう言われてしま...
ビジネスの現場では、「正解」が存在することが多く、その正解を見つけるためのルールや手順が整備されています。 たとえば、新商品の販売戦略を考えるとき、過去のデータや市場分析をもとに「何をすべきか」が具体的に見えてきます。 このように、正解に向けて効率的に資源を投入しながら進むのがビジネスプロセスの基本です。 一方で、法律...
<事例/質問> 起業を考えています。 ざっくりした相談ですが、ビジネスに詳しい弁護士の先生のお立場から、注意すべき点があれば、ご教示ください。 <鐵丸先生の回答/コメント/助言/指南> まず、起業に際して重要なのは「お金を愛せよ」ということです。 世間では「お金は汚いもの」という価値観が広がっていますが、こ...
<事例/質問> FIREブームの影響で会社を辞めて起業した先輩がいますが、いきなり失敗して田舎に戻り、奥さんとも離婚しそうな状況です。 僕も起業を考えているのですが、失敗しないためにはどのような点に気をつければよいでしょうか? <鐵丸先生の回答/コメント/助言/指南> サラリーマンから起業する方が失敗する原...
<事例/質問> 「御社の事業は素晴らしい。極めて有望だ。上場も夢ではない。あなたはIPO(株式公開)に興味はないか? 私はこれまで何社もの上場を支援してきた。私に出資させて、私の仲間も役員に入れ、一緒に上場の夢を実現しないか」という話が浮上して、出資をしてもらう話が進んでいます。 正直申し上げて、上場とかI...
<事例/質問> 友人が作ったベンチャーの株式会社に一部出資しましたが、これが経営に失敗して、多額の負債を背負い込んでしまいました。 株主の私は、負債を肩代わりしなければなりませんか? <鐵丸先生の回答/コメント/助言/指南> 結論から言います。 株が紙くずになるだけで、あなたは多額の負債を肩代わりする必要...