00132_投資案件は法務DDの前に決まる ― 鍵は、チーム編成と専門家の営業力

資金調達の現場に入ると、つくづく感じることがあります。 どんなに緻密な準備をしても、案件は予定通りには進まないものです。 特に投資家との交渉では、最初の段取りを誤れば、その後は何をやってもズルズルと不利な展開に追い込まれていきます。 どれだけ立派なレポートを書いても、どれだけ法務リスクを正確に並べても、それだけで投資家...

02124_経営者視点で考える組織の最適化_企業法務弁護士が提案する改革のヒント

企業経営において、適切な人員配置は非常に重要です。 役割が明確でバランスよく配置されていれば、業務はスムーズに進み、生産性が向上します。 しかし、企業が成長するにつれて、無駄が増えたり、業務の偏りが生じたりすることも少なくありません。 最近、ある企業の組織体制を精査する機会がありました。 その企業では、スタッフの業務を...

02123_法律の解釈は、立場によって変わる—経営の判断軸をぶらさないために

ビジネスの世界では、どの選択肢を取るかによって、同じ法律でも解釈が変わります。 これは、商売の値付けの考え方に似ています。 たとえば、老舗の製造業が新商品を開発し、価格を決めようとしているとしましょう。 営業部門は、「まずは市場に出しやすい低価格で勝負すべきだ」と考えます。 一方、財務部門は、「利益率を確保するために、...

02102_企業法務ケーススタディ:「金商法違反だから登録が必要」は本当?—弁護士の助言を鵜呑みにする前に

<事例/質問> ファンド運営のビジネスを考え、大手弁護士事務所に相談しました。 すると、 「金商法違反だから二種免許がいる」 と言われました。 それって、どういうこと? 本当ですか? <鐵丸先生の回答/コメント/助言/指南> 結論から言えば、「金商法違反だから二種免許がいる」という説明は、必ずし...

02085_弁護士にされる相談のタイプ

弁護士の元には、様々な内容の相談が寄せられますが、大きく2つのタイプに分類できます。 1 質問や依頼内容が明確で、具体的な場合2 何を相談すればよいのか、自分でも分からないため、一緒に整理してほしい場合 2のケースでは、弁護士がクライアントとディスカッションを重ねながら問題を整理する必要がありますが、このプロセスがスム...

02081_企業法務ケーススタディ:期限を盾にした交渉術の本質を見抜く

<事例/質問> ある企業と業務提携をすすめてきましたが、資金面等で話の食い違いが生じ、紆余曲折の末、契約を解除することにしました。 仲介をしたコンサルタントが出向き、契約解除を目指し、交渉を行いました。 ところが、コンサルタントは、先方から以下のような質問を受けてきたうえに、「先方は怒っている。先方の質問に...

02076_初回法律相談の主眼

初回の無料法律相談では、相談者に 「法常識と一般常識のギャップ」 を、よく理解してもらうことに主眼が置かれます。 これは医療で言えば、 「自分の病状や病気の概要を、極めて大雑把に認識した」 というレベルに過ぎません。 すなわち、医療という比喩を用いると、 ・詳細な病気のメカニズムや ・治療ないし改善すべき課題の特定や ...

02062_企業法務ケーススタディ:テレビ局から取材依頼を受けたときの対応計画

<事例/アンケート> テレビ局から、「ある社会問題について、実態を調査する番組を企画している。公平性を見極め、当事者や関係する個人・企業から取材したい」ということで、わが社に取材依頼がきました。 当時の担当者はすでに退職しておりますが、記録らしきものはあります。 取材を受けたとしても断ったとしても、変な憶測を招きかねな...

02030_事業立ち上げに成功したらIPO(株式公開)をすすめられた(教えて!鐵丸先生Vol. 37)

<事例/質問> 「御社の事業は素晴らしい。極めて有望だ。上場も夢ではない。あなたはIPO(株式公開)に興味はないか? 私はこれまで何社もの上場を支援してきた。私に出資させて、私の仲間も役員に入れ、一緒に上場の夢を実現しないか」という話が浮上して、出資をしてもらう話が進んでいます。 正直申し上げて、上場とかI...

02006_会社の借金について、名前だけの取締役は責任があるのか(教えて!鐵丸先生Vol. 14)

<事例/質問>  会社経営していた主人が経営に失敗して、会社で多額の借金を作りました。 主人は借り入れの際に連帯保証をしております。 私は、一部出資して、名前だけの取締役にもなっていました。債権者から私にも責任がある、と言ってかなりきつく言われています。 どうしたらいいですか? <鐵丸先生の回答/コメント/...