02154_「話せばわかる」は幻想。構造でトラブルを封じる法務技術──第三者を代理人に立てる
相手の理屈に勝つことではなく、話そのものを成立させない。 そんな“封じ方”が、企業法務には必要になる場面があります。 話すこと自体が、すでに罠 人と人とのトラブルというのは、理屈で解決するとは限りません。 相手が聞く耳を持っていれば、話せばわかるでしょう。 ところが世の中には、そもそも「話すこと」自体が罠、という場面が...
相手の理屈に勝つことではなく、話そのものを成立させない。 そんな“封じ方”が、企業法務には必要になる場面があります。 話すこと自体が、すでに罠 人と人とのトラブルというのは、理屈で解決するとは限りません。 相手が聞く耳を持っていれば、話せばわかるでしょう。 ところが世の中には、そもそも「話すこと」自体が罠、という場面が...
ある会社での話です。 経営会議の場で、役員のひとりがこう言いました。 「この案件、正式な契約はまだだけど、先に動いてしまおう」「一昨日、ゴルフに行ったんだけど、先方のトップ以下3名が了解してたから、大丈夫でしょ」 その場では、誰も強く反対せず、話は流れていきました。 法務担当者も出席していましたが、何も言いませんでした...
最近では、リモート会議の普及により、TeamsやZoomなどのツールを使って会議を行う機会が増えています。 移動の手間がなくなり、多拠点とのやり取りもスムーズになるなど、リモートならではのメリットも大きい一方で、記録の扱い方に関して新たな課題が生まれています。 特に問題となるのが、チャットログと正式な議事録、そしてAI...
資金調達の現場に入ると、つくづく感じることがあります。 どんなに緻密な準備をしても、案件は予定通りには進まないものです。 特に投資家との交渉では、最初の段取りを誤れば、その後は何をやってもズルズルと不利な展開に追い込まれていきます。 どれだけ立派なレポートを書いても、どれだけ法務リスクを正確に並べても、それだけで投資家...
企業経営において、適切な人員配置は非常に重要です。 役割が明確でバランスよく配置されていれば、業務はスムーズに進み、生産性が向上します。 しかし、企業が成長するにつれて、無駄が増えたり、業務の偏りが生じたりすることも少なくありません。 最近、ある企業の組織体制を精査する機会がありました。 その企業では、スタッフの業務を...
ビジネスの世界では、どの選択肢を取るかによって、同じ法律でも解釈が変わります。 これは、商売の値付けの考え方に似ています。 たとえば、老舗の製造業が新商品を開発し、価格を決めようとしているとしましょう。 営業部門は、「まずは市場に出しやすい低価格で勝負すべきだ」と考えます。 一方、財務部門は、「利益率を確保するために、...
<事例/質問> ファンド運営のビジネスを考え、大手弁護士事務所に相談しました。 すると、 「金商法違反だから二種免許がいる」 と言われました。 それって、どういうこと? 本当ですか? <鐵丸先生の回答/コメント/助言/指南> 結論から言えば、「金商法違反だから二種免許がいる」という説明は、必ずし...
弁護士の元には、様々な内容の相談が寄せられますが、大きく2つのタイプに分類できます。 1 質問や依頼内容が明確で、具体的な場合2 何を相談すればよいのか、自分でも分からないため、一緒に整理してほしい場合 2のケースでは、弁護士がクライアントとディスカッションを重ねながら問題を整理する必要がありますが、このプロセスがスム...
<事例/質問> ある企業と業務提携をすすめてきましたが、資金面等で話の食い違いが生じ、紆余曲折の末、契約を解除することにしました。 仲介をしたコンサルタントが出向き、契約解除を目指し、交渉を行いました。 ところが、コンサルタントは、先方から以下のような質問を受けてきたうえに、「先方は怒っている。先方の質問に...
初回の無料法律相談では、相談者に 「法常識と一般常識のギャップ」 を、よく理解してもらうことに主眼が置かれます。 これは医療で言えば、 「自分の病状や病気の概要を、極めて大雑把に認識した」 というレベルに過ぎません。 すなわち、医療という比喩を用いると、 ・詳細な病気のメカニズムや ・治療ないし改善すべき課題の特定や ...