02141_ミエル化・カタチ化・言語化・文書化・フォーマル化が、経営を守る_02「口約束」が契約違反に変わるとき
営業現場や経営会議では、スピードを重視するあまり、「とりあえず口頭で合意」する場面がよくあります。 けれども、その「言ったつもり」「聞いてない」が、あとになって高額な損害賠償リスクへと化けることがあります。 たとえば、ある中堅メーカーでの話です。 営業部長が、ある取引先の要望に応えるかたちで、「価格は従来どおりで、納期...
営業現場や経営会議では、スピードを重視するあまり、「とりあえず口頭で合意」する場面がよくあります。 けれども、その「言ったつもり」「聞いてない」が、あとになって高額な損害賠償リスクへと化けることがあります。 たとえば、ある中堅メーカーでの話です。 営業部長が、ある取引先の要望に応えるかたちで、「価格は従来どおりで、納期...
会社のルールというのは、案外あいまいな時期があるものです。 特に、経営ルールの整備には、どうしても時間がかかります。 新しい組織が立ち上がるタイミングや、制度を切り替える局面では、どうしても「仮運用」の状態が生まれます。 要するに、ルールが整っていない間、現場では「仮運用」という言葉で日々の判断が下されることになります...
ビジネスの現場では、スピードが求められるあまり、つい口頭のやり取りだけで物事を進めてしまうことがあります。 特に、投資案件や法務デューデリジェンスのように、複数の専門家や海外関係者が関わるプロジェクトでは、最初に決めたルールや役割が、途中で曖昧になってしまうことが少なくありません。 実際、あるコンサルタント会社の投資案...
先日、顧客から雇用契約書のチェックを依頼されました。 契約書を確認してみると、契約更新に関する記述が少し曖昧な表現になっていました。 企業側の意図としては「更新は確約しない」つもりだったのでしょうが、文面だけを見ると、社員側が「当然更新されるものだ」と思い込む可能性があるものでした。 こうした曖昧な契約書が原因で、後に...
契約書を作成するとき、1文字違うだけで意味が大きく変わる言葉があります。 その代表例が「清算」と「精算」です。 どちらも「せいさん」と読むため、つい混同しがちですが、契約上はまったく別の意味を持っています。 この違いを理解していないと、契約の内容が意図しないものになり、その後トラブルにつながる可能性があります。 例えば...
契約書を作るのは、最後の最後です。 いきなり契約書を交わそうとする人がいますが、それでは順序が逆。 肝心の中身が決まっていないのに契約書を作ったところで、あとから矛盾や問題が噴出するのは目に見えています。 では、契約書の前に何を考えるべきか? 具体的には、以下のようなものが必要になります。 これらがしっかり固まったうえ...
海外で法務デューデリジェンス(DD)を進める際、「資料収集の責任は誰が負うのか?」という問題が浮上することは珍しくありません。 例えば、依頼者としては、弁護士事務所との契約(Engagement Letter)に、資料収集の役割分担を明確にしておきたい。 しかし、弁護士側は「基本的に資料収集は依頼者の責任であり、我々が...
<事例/質問> 海外法律事務所との法務DD契約について、Engagement Letter をご確認いただきたく存じます。 日付や宛先は変更予定ですが、本文の内容はこのままで進める方向です。 問題点や修正すべき点があれば、ご指摘ください。 <鐵丸先生の回答/コメント/助言/指南> 契約の穴としては、以下の2点が考えられ...
「契約書をチェックしてほしい」という依頼には、その趣旨が多義的で、さまざまな意図が考えられます。 大きく分けると、次の5つのパターンが想定されます。 1 代読の要請(契約書の内容をわかりやすく説明してほしい) 契約書の文言が難解で、自分では理解できないため、何が書いてあるかその概要をかいつまんで説明してほしい、というケ...
ビジネスを進める際に、細かい点にこだわりすぎたり、準備を先走ったりして、肝心な部分が固まっていないまま弁護士に相談する人は少なくありません。 しかし、そもそも「何を、どのような形で取引するのか」が決まっていなければ、弁護士と議論しても意味がないのです。 取引の基本的な骨子が不明確な状態では、いくら法的なアドバイスを受け...