02195_方便は戦術その2_「怒りの演技」に騙されるな _弁護士の交渉を見抜く技術
法務の現場では、弁護士が“怒る”場面に遭遇することがあります。 しかも、唐突に、極端に、激しく。 「この条件はふざけている。話にならん」「訴訟を辞さない」 声を荒らげ、机を叩き、身を乗り出して迫ってくる弁護士を前にして、「相当、怒らせてしまった」「これはもう引かざるを得ない」「本気で限界なのだろう」と受け取ってしまうこ...
法務の現場では、弁護士が“怒る”場面に遭遇することがあります。 しかも、唐突に、極端に、激しく。 「この条件はふざけている。話にならん」「訴訟を辞さない」 声を荒らげ、机を叩き、身を乗り出して迫ってくる弁護士を前にして、「相当、怒らせてしまった」「これはもう引かざるを得ない」「本気で限界なのだろう」と受け取ってしまうこ...
民事裁判に関わっていると、つくづく感じるのは、「裁判というものは人間くさい制度だな」ということです。 とりわけ控訴審ともなると、そこに立ちはだかるのは、「神様のような存在」としての裁判官です。 神様といっても、雲の上から何もかもお見通し、というわけではありません。 むしろ、好き嫌いやこだわり、嗜好のはっきりした、一人の...
法務の現場では、あの手この手が飛び交います。 ときには奥の手、場合によっては反則技すれすれの演技や方便。 その代表例のひとつが、「弁護士の二面性」です。 今回は、一見すると「ずる賢い」ように見える弁護士の行動の裏側にある、プロとしての思考と戦術についてお話しします。 弁護士が「怒るフリ」をする理由 たとえば、取引先との...
民事裁判というと、テレビドラマのようなシーンを思い浮かべる方が多いかもしれません。 大きな法廷で、当事者が感情をぶつけ合い、証人が泣きながら語り、最後に裁判官が「判決!」と声を張り上げる――そんなイメージを持たれている方にとって、実際の民事裁判は驚くほど静かで、そして淡々としたものに映ると思います。 なぜなら、民事裁判...
裁判というと、自分の思いのたけを語る場所だと思っている方は少なくありません。 「私はこんなに苦しんだ」「相手は本当にひどいことをした」「正義は自分にある」そうした強い気持ちを、裁判官の前でしっかり伝えたい、というのは、ごく自然な感情です。 けれども、こと民事裁判においては、そうした「思い」や「感情」を正面からぶつけるこ...
裁判所という場所は、想像以上に時間との闘いの真っ只中にあります。 どの法廷でも、朝から晩まで事件がびっしりと詰め込まれており、1件あたりに割り当てられる時間は本当にわずかです。 たとえば、ある民事事件の弁論期日では、午前10時から10分刻みで事件が組まれていくことも珍しくありません。 10時00分、10時10分、10時...
<事例/質問> 私は小さな会社を経営しており、友人でもある取引先に500万円の売掛金を請求しています。 しかし、支払期限を過ぎても入金がなく、何度か催促しましたが、「もう少し待ってほしい」と言われるばかりで、一向に支払われる気配がありません。 そこで、法的手段を検討しています。 知人に相談したところ、「まずは内容証明郵...
一般民事事件で、ある日、クライアントから「最高裁に上告されました!」と相談がありました。 まあ、よくある話です。 とはいえ、上告された側としては気になりますよね。 「相手はどんな理由で上告してきたのか?」と。 そこで、上告理由書(正式には「上告受理申立理由書」)を入手しようと、最高裁の担当書記官に問い合わせました。 す...
<事例/質問> 相手から内容証明が送られてきました。 「えっ、これってどういう意味?」「無視したらダメ?」「すぐに返信しないとまずい?」 はじめてのことなので、社内で大騒ぎとなりました。 相手方は、自分の会社よりも規模が大きく、世間的な認知度も評価も高いです。 ケンカになることは避けられません。 そこで、「回答書をどの...
【事例/質問】 電話で問い合わせがあり、その内容が会社の製品や商品の使い方などの単純なものではなく、答えにくい質問だった場合、弁護士に相談したらどのようなアドバイスが受けられるのでしょうか? 【鐵丸先生の回答/コメント/アドバイス/指南】 答えにくい質問がなされた場合、それは単純な問い合わせではなく「有事」と認識すべき...