00565_裁判所への「自己の事案認識」を売り込むセールスを展開する際に、認識しておくべき前提環境(ゲーム環境及びゲームルール)

石田鈍一さん側の代理人としてどのような行動を取るべきかにつき、まず訴訟に対応するための全体の指針をのべ、さらに、本件で問題となるべき点を個別に解説していきたいと思います。 これまで述べてきましたとおり、弁護士にとって本件解決のキーマンは裁判所であり、裁判所という「お客さん」をいかにこちら側に引き寄せるか、ということが活...

00564_裁判所の「偏向的思考習性(独特のバイアスや認知フィルター)」を知る

裁判所の「偏向的思考習性(独特のバイアスや認知フィルター)」をいくつか紹介してみます。 とはいえ、経験と主観に基づくものなので、正しい姿かどうかは知りませんが、参考にはなるかと思います。 1 書面による証拠がなければ事実とは認められない争いになりそうな事実や重要な事実については、一般的に文書化するものだし、文書化されな...

00563_訴訟における、最重要の「敵」、裁判所を知る

訴訟事件において、裁判所が最大のジョーカーになります。 世間一般のイメージと実体が異なるってのは、世の中においてよくみられる現象ですが、裁判所もその1つです。 裁判所というのは、常に真実を発見できるオールマイティな権力をもった神様ではなく、他の一般のお役所同様、機能的限界が内在する機関です。 当然ながら、お役所ですから...

00561_訴訟を提起する目的その4:仕方なくやっている・パターンA(税務的都合でやっている)

役員の善管注意義務違反で会社が倒産した場合に、役員個人を株主代表訴訟で訴えるケースを例にとって、訴えを起こす(といっても、監査役への提訴要求通知が無視されることが前提条件となりますが)原告株主について、訴訟の目的や動機を推察してみます。 前提として、株主がつぶれた会社の役員を訴えるという目的、動機は、「とりっぱぐれて困...

00556_訴訟を提起した場合に警戒し、ケアすべき「敵」を知る

「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」とは孫子の兵法でも有名な一節ですが、これは訴訟対策にもあてはまります。 すなわち、訴訟対策を行うためには、敵を知る必要があります。 裁判沙汰となる紛争に発展した場合、敵は何を考え、どう行動しようとするのか、具体的考えていきましょう。 ここで、通常、「敵」というと訴訟の相手方、訴訟の...

00544_相手方が複数の場合、あえて、ひとまとめにせず、個別に分断し、裁判外交渉したり、訴訟提起する戦略の効用

企業を辞めた役員が、独立し、顧客名簿を用い、従業員を引き抜いて、競業を始めた場合、元役員や起業した会社や従業員をひとまとめにして訴えることももちろん可能です。 他方で、手続の相手方として個々の従業員もターゲットにすることも可能です。 このように、相手方が複数の場合、あえて、ひとまとめにせず個別に分断し、裁判外交渉したり...

00543_訴訟提起をする前に検討すべき注意点

訴訟の場合、原告にとって一番負担となるのは、時間と費用です。 最近ではずいぶん改善されたとはいえ、やはりちょっと経過がややこしい紛争になると、裁判に1年以上かかるのは珍しいことではありません。 それと、裁判所に過度の期待は禁物です。 裁判所といえば、「すごく優秀な人がなんでもお見通しで正義と公平を実現してくれるところ」...

00542_仮処分利用のポイントと注意点

辞めた役員が、起業し、持ち出した顧客リストを利用して、競業を始めた場合を例にとって民事保全処分の具体的利用方法を考えてみます。 普通に、上記のようなトラブルに遭遇すれば、「競業してはならない」とか「持ち出した顧客名簿を使うな」等を求める裁判を提起することが考えられますが(そもそもそういう権利があるのかという問題について...

00541_裁判外交渉(示談交渉)をマネジする上での注意点

弁護士を付けて、内容証明郵便による通知書を相手方に送付し、相手方も弁護士を付けてこれに応答し、裁判外交渉が開始される場合があります。 裁判外交渉においては、注意点があります。 裁判外交渉と裁判の違いは、1 相手方の対応による解決が長引く可能性があること2 不調の場合時間が無駄になることです。 すなわち、裁判になると、だ...

00540_相手方の属性・心理的状況や経済的状況を勘案した紛争法務戦略構築テクニック

紛争法務戦略構築は、法律知識だけでは対処できないもので、相手の心理や状況に対する想像力の豊かさがポイントになります。 この手のノウハウは、無論、東大法学部でも司法研修所でも教えてくれるわけでもありませんし、法廷にあまり縁がなく行政書士みたいな仕事だけで食べておられる予防法務専門弁護士の方々も、ひょっとしたら、あまりご存...