00539_内容証明郵便による通知書作成・出状のポイントと注意点

紛争法務を実施する上で、いきなり訴訟を提起するのではなく、たいていの弁護士は、まず内容証明郵便による通知書を送ることを行い、裁判外交渉による解決を模索します。 内容証明郵便とは、いつ(確定日付)、だれが、だれに、どんな内容の文書を出したかということを、郵便局が証明してくれる郵便で、後日の紛争の証拠として非常に役立つもの...

00538_訴訟戦略の組み立て方:現実的なゴールの設定

訴訟戦略を立てるには、現実的なゴール設定が必要です。 どんなに緻密な戦略もゴールの設定を間違えてしまうと、あり得ないゴールを追い求めて無駄で非効率なことを永遠に続ける結果に終わります。 例えば、退職した従業員が独立して競業行為を始めた場合などでは、「ノウハウや顧客リストの使用や従業員の引抜き問題について、従業員側が確立...

00536_判決にまでもつれ込むのは、訴訟上の和解交渉の失敗

よく、企業経営者で、「ウチの顧問弁護士はすごい。先生は非常に優秀で、この先生に頼んで負けたことがない」と自慢される方がいます。 ですが、ある程度優秀な弁護士は、皆、・ 判決にまでもつれ込むのは、訴訟上の和解交渉の失敗であり、・ 訴訟にまでもつれ込むのは、裁判外交渉の失敗であり、・ 裁判外交渉にまでもつれ込むのは、予防法...

00528_企業法務ケーススタディ(No.0193):「社外取締役として関わっている企業が破綻し、株主代表訴訟を提起されたケース」を想定した紛争法務テクニック

1 事例「株式会社アキ代にオマカセ!(以下、「アキオマ社」)」は、株式の100パーセントを和田アキ代が所有する人材派遣会社である。アキオマ社には和田アキ代自身は取締役に名を連ねていない。アキ代は、アキオマ社の社主として、いわば院政のかたちで自社を牛耳っているのであり、アキオマ社はアキ代が全権を掌握する典型的なオーナー会...

00509_他人に実印を預けたばかりに、連帯保証人にされてしまうリスク

自らの意思に反し、勝手に連帯保証人とされていたような場合、本人は連帯保証人となる意思がないわけですから、法律理論上、本人に連帯保証の効力は及びません。 しかし、本件のように、自分の実印を他人に預けていたところ、知らない間に連帯保証人となっていたという場合、自らの実印の押された保証契約書が外形上存在する、といった状況が出...

00470_民事訴訟弁護活動の実際:訴訟弁護士の戦略思考や活動戦術の具体的内容

弁護士は、「明らかに事実に反するウソはつく」ような品のない真似はしません。 しかし、・クライアントにとって有利なことは大きな声で述べ、・クライアントにとって不利な事柄は黙っている(あるいは、言い換えや抽象度の高い表現を使って、目立たなくする)ということはします。 何か、姑息で卑怯でインチキなことをしているように聞こえる...

00458_買主が行方不明で取引が前に進められない場合、状況を放置しておいて問題ないか?

約束の日時に商品を提供する義務からは免れられても、商品自体を納品する義務から免れることにはなりません。 そこで、このような売り主が商品を納品する義務からも免れるためには、契約自体を解除しなければなりません。 もっとも、裁判例の傾向としては、「買い主側が受領遅滞した」こと“のみ”を理由とする契約の解除は、原則として(特段...

00457_契約解除の段取りと作法

売買契約において商品の受取日時や場所が指定された場合であっても、単に「指定された場所」に商品を置いてきただけでは、売り主としての義務を果たしたことにはならず、きちんと売買契約の買い主に受け取らせる、という行為が必要です。 もっとも、受け取る、受け取らないは買い主の責任であるにもかかわらず、「売り主が、いつまでも商品を約...

00422_長年続いてきた契約をいきなり終了する場合の法的リスク

わが国の取引における基本的ルールとして、誰とどのような契約をしようが一切自由である、とされています(契約自由の原則)。 これは、「取引社会に参加する者が、それぞれ己の知力や財力を最大限に活用して、自由に契約交渉を行い、互いに競争させる基盤を確保することが、市場経済の発展には必須である」という考えに基づくものであり、資本...

00421_検収を放置すると、債務不履行責任を問えなくなるリスク

ビジネスのプロ(商人)同士の取引を規律する商法は、検収や債務不履行について、特別なルールを定めています。 すなわち、商法526条は、商人間の取引について、「1項 商人間の売買において、買主は、その売買の目的物を受領したときは、遅滞なく、その物を検査しなければならない。2項 前項に規定する場合において、買主は、同項の規定...