02197_「コンプライアンスは万全」?!_監査役弁護士が“盾”になるという幻想
多くの経営者は、著名な法律事務所から弁護士を監査役として招き入れさえすれば、安心できるという甘い常識を持っています。 「金融機関にも『コンプライアンス体制は万全』と説明できる」「いざというときは、彼らが盾となって最前線で守ってくれるだろう」 弁護士が「会社を守る盾」になってくれると信じているからです。 しかし、実は、そ...
多くの経営者は、著名な法律事務所から弁護士を監査役として招き入れさえすれば、安心できるという甘い常識を持っています。 「金融機関にも『コンプライアンス体制は万全』と説明できる」「いざというときは、彼らが盾となって最前線で守ってくれるだろう」 弁護士が「会社を守る盾」になってくれると信じているからです。 しかし、実は、そ...
「先生、“逆粉飾”って、できませんかね……?」 ある経営者が、真顔でこう言いました。 通常の粉飾は「黒字に見せる」こと。 その逆、つまり 「儲かっているのに、わざと赤字に見せる」。 それが“逆粉飾”です。 たしかに、倒産を成立させるために「黒字に見えるのは不都合だ」と考えれば、逆方向の小細工を思いつく人がいても不思議で...
確認メールが“社内防衛”で終わっていないか? 私のもとに寄せられる企業法務の相談には、ある共通点があります。 それは、「言った・言わない」の泥仕合が、背景に潜んでいるということです。 その多くは、社外とのやりとりに起因しています。 取引先との協議、外部関係者との打合せ、委託先との折衝—— その場ではうまく進んでいたはず...
<事例/質問> A株式会社の正社員のうち3~4名が、4月以降、株式会社Bの業務に就く予定です。 この際、A株式会社の社員として在籍したまま出向の形を取ることを考えていますが、以下の2点について懸念があります。 1 A株式会社と株式会社Bが一体とみなされるリスクについて出向という形を取った場合、外部から見てA株式会社と...
<事例/質問> わが社では、コンプライアンス強化の課題として、法人のお客様やビジネスパートナーに確認したい事項が出てまいりました。 電話をかけて確認することにしました。 その際、念のために録音したいと考えています。 録音はトラブル時の証拠として有効だと思いますが、「事前の同意がない録音は証拠価値が低下する」という意見も...
東京証券取引所では、株式公開会社の経営や株式市場の透明性を高め、また、一般株主を保護する観点から、上場会社に対して、「独立役員(一般株主と利益相反が生じるおそれのない社外取締役又は社外監査役)」を1名以上確保することを企業行動規範の「遵守すべき事項」として規定しています。 この詳細については、独立役員の確保に係る実務上...
企業組織運営に関する予防法務上の課題で忘れられがちなのが、取締役会運営の機能化・実質化という点です。 特に、会社法違反を理由として経営幹部が代表訴訟において被告とされた場合、適切に経営裁量を行使した事実を明らかにして、身の潔白を証明する重要な立証手段が、取締役会での決議です。 ところが、相当規模の大きな会社であっても、...
会社法上、ビジネスジャッジメントルール(経営判断保護の原則あるいは経営裁量保護の原則)と呼ばれるものがあります。 これは、アメリカ合衆国における会社法裁判例として集積され確立されてきた法理ですが、「取締役が業務執行に関する意思決定の際に適切な情報収集と適切な意思決定プロセスを経たと判断されるときには、結果として会社に損...
取締役就任にあたっては、会社法の知識や素養を前提資格として要求しておらず、また、日常のビジネス執行のことで頭が一杯ということもあり、取締役等の経営幹部には会社法の詳細な規制まで頭が回らないことが通常です。 とはいえ、下記のような経営幹部に対する巨額の損害賠償が命じられる事例が増加していることからも、会社業務執行にあたっ...
本ケーススタディーは、事例及び解説の概要・骨子に限定して要約・再構成したものです。詳細をご覧になりたい方は、「会社法務A2Z」誌 2018年5月号(4月25日発売号)に掲載されました連載ケース・スタディー「鐵丸先生の 生兵法務(なまびょうほうむ)は大怪我のもと!」百十の巻(第110回)「役員登記ほったらかしのペナルティ...