00449_「従業員が業務中にけがをしたり業務の内容が災いして病気になってしまった場合」の企業としての対処法

会社を経営していると、雇っている従業員が業務中にけがをしたり、業務の内容が災いして病気になってしまったりする場合があります(場合によっては、通勤中に自動車事故に巻き込まれるといったこともあります)。 このような労働災害が発生した場合、会社は当該従業員に対し、会社の費用で必要な療養を行わなければなりません(労働基準法75...

00444_逮捕されたら、すぐさま解雇できるか?

例えば、会社がインサイダー取引の嫌疑がかかっている従業員を有罪に違いないと決めつけた上で、そそくさと解雇を行なおうとした場合、この解雇は有効でしょうか。 多くの企業は、就業規則上、「“有罪”となった場合に解雇可能」という定めを有しています。 では、いつ「有罪」と定まるのでしょうか。 刑事手続き上有罪となるのは、「刑事裁...

00441_トラック運転手やバス運転手に仕事をさせすぎ、事故を起こしたことで、社長が処罰されるリスク

道路交通法は、「何人も、(中略)、過労、病気、薬物の影響その他の理由により、正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない」と規定し、これに違反した者に対しては、「3年以下の懲役又は50万円以下の罰金」を科すなどして、過労運転等を禁止しています(道路交通法第66条、第117条の2の2第5号)。 「自動...

00424_違法残業により役員個人が責任を負う場合

会社が責任を負うとしても、役員個人が賠償責任を負うなどということがあるのでしょうか。 この点について、過労死等の場合、会社が責任を負うのはともかく、役員「個人」が賠償の義務を負うなんて考えられないという経営者が大半であると思われます。 しかしながら、役員個人も損害賠償責任を負うとの裁判例が近年出されていますので十分な注...

00423_違法残業から生じる多大なリスク

残業とは、法定労働時間を超過して働かせることをいいますが、この場合、まず労働基準法36条に基づく協定(36協定)の締結が必要です。 そして、週40時間以上勤務させるような法定外残業の場合には、残業代として基本給の25%増を支払わなければなりませんし、それが休日の場合には35%増とする等の規制が働くことになります。 加え...

00410_「直接雇用した労働者」以外の者が怪我した場合でも企業が責任を負う場合

安全配慮義務は、長らく労働者と直接の雇用主の間にのみ発生する義務であると考えられてきました。 ところが、近年、「注文者が、単に請負人から仕事の成果を受領する」だけでなく、「実質的にみて、注文者が、請負人所属の労働者から、直接労働の提供を受けているのと同視できる」形式の契約も登場するようになりました。 このような産業社会...

00409_工場や職場でけが人が出た場合に企業が負うべきリスク・責任

雇用契約では、雇用主は、「賃金さえしっかり支払ってさえいれば、それ以外の義務は特段負う必要はない」と考えるのが自然かつ素直な理屈といえます。 しかし、世の中には、労働者の生命や身体に危険を及ぼす可能性のある危険が伴う労働があることから、雇用主はこのような危険から労働者の生命や身体を保護すべきである、との考え方が広まって...

00307_残業代不払問題が刑事事件化して、処罰される危険性が生じ得ること

従業員と前述の36協定を締結することなく、従業員を週40時間以上勤務させた場合違法残業になりますし、週40時間を超える勤務時間につき法定の割増賃金(残業代)を支払わない場合、36協定締結の有無に関わらず、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が課せられる場合があります。 この場合、割増賃金の支払いを懈怠している人事部...

00306_残業代不払問題が「取締法規としての労働法に基づくコンプライアンス・リスク」を生じる場合

会社と従業員との関係は、労働契約という民事の契約関係で成り立っていますので、残業代不払い等も単に民事上の問題と思われがちです。 しかしながら、労働者の生活を保障する観点から労働基準法により最低限の労働条件を定められており、国が会社と従業員との契約関係に介入し、罰則の制裁を以て、企業側一定の労働基準の順守を強制しています...

00293_企業が、ミスした従業員に損害賠償請求しようとした場合に、立ちはだかる法的障害

民法715条1項では、「ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う」と規定しています。 これは、使用者は、被用者を使用して自己の活動範囲を拡大し利益を得ているのだから、事業の執行について被用者の行為により被害者に損害が生じた場合には、使用者にも賠償責任を負わ...