01999_辞めた従業員が「残業代を払え、(拒否したら)裁判する」と言ってきた(教えて!鐵丸先生Vol. 43)

「労働事件については当然企業側の言い分をしっかり聞いてくれるはず」という思い込みをもつ経営者は少なくありません。 裁判官一般でいえば、割と保守的で権威や体制にシンパシーある行動をとる方が多い、とみて差し支えないと思われます。 また、裁判官は、多数の事件を抱え、労働時間や残業などといった概念すら吹き飛ぶほどの仕事漬けの毎...

01981_労務マネジメントにおいて文書による謝罪を要求されたら_その2

労務マネジメントにおいて文書による謝罪を要求されたら、「様々な選択課題を内包する、ケースないしプロジェクト」として、“時間的冗長性”と“対処チーム組成”を考えなければなりません。 まず、認識すべきことは、この対処課題には、「唯一の絶対的正解がない」という厳然たる状況です。 あるのは、「どれも正解とは、言い難い、いずれも...

01980_労務マネジメントにおいて文書による謝罪を要求されたら_その1

労務マネジメントにおいて、文書による謝罪を要求されたら、その対処は、「みようみまねでつくってみた謝罪文を、弁護士にみてもらって、ちょっと助言をもらって手直しすればいい」というものではありません。 あるいは、・相手方が、「相手の望む対応(文書による謝罪)をしない限り、アクションを起こす」と言ったのはブラフであり、相手の要...

01977_“パワハラ”事案を知ったときの会社対応

全体・概括として、・パワハラ罪やパワハラ禁止法というものは、法律的に明確な定義は存在しません。・“パワハラ”というものは、不定形で抽象的なものであり、被害者側が、5W1Hを含め、具体的な事実関係と違法性を主張として、固めるまでは、(言い方は不適切かもしれませんが) 会社側としては腕組みして待っていれば足りる話です。・そ...

01958_労働審判の特徴

「労働審判」は、「裁判」 ではなく、「審判」という、ある意味、司法作用とは「ちょいと違うし、まあ、モノホンのガチンコ裁判ではなく、後から本格的裁判で争うことも可能な、テストマッチというか、前座というか、亜流の裁判モドキ。だから、裁判とは違う、ちょいと雑で、スピーディーで、独裁チックなことやってもいいよね?」みたいな風体...

01947_定年を過ぎた従業員との雇用関係を切断・排除するということ

就業規則上の定年は60歳、継続雇用は65歳までとなっている会社で、満65歳を過ぎた従業員を雇用していました。 当該従業員については戦力として必要ない、と考えたオーナー経営者は、 「問題があってね。退職勧告を含めて、どのような段取りですすめたらいいだろうか」と、弁護士に相談をしました。 「退職勧告をして当該従業員に辞めて...

01945_雇用保険被保険者離職票修正におけるトラブルの対処行動

雇用保険被保険者離職票は、離職者における失業保険算定上の基礎資料となります。 従業員が退職意思表示を示し、雇用保険被保険者離職票の交付を会社にもとめてきた場合、会社は速やかに交付の手続きをしなくてはなりません(ハローワークが発行しますが、会社を通じてその手続きをすることとなります)。 さて、ある会社において、関連会社に...

01943_従業員の退職撤回リスク

従業員の退職撤回・覆滅にまつわる事件は枚挙にいとまがなく、裁判例も数多く存在します。 これらトラブルは、会社からの退職勧奨が起因となっていることが多く見受けられます。 裁判となって会社が勝訴したとしても、会社側にとっては経過そのものがリスク、となり得ます。 年単位の裁判に関わらされ、薄氷を踏むような勝利であった事実は、...

01907_パワハラを理由に社員を降格する場合

たとえば、パワハラ等が起きたことを理由に、従業員を降格させようという場合、会社側として、「パワハラ等が起きた」ことをリーガルマターとして捉え、将来の訴訟を予知して、訴訟における論争や立証まで視野に入れて、状況をミエル化・カタチ化・言語化・文書化・フォーマル化 することが肝要です。 要するに、 1 「パワハラ等が起きた」...

01906_労働契約について

従業員を雇うとき、オーナー経営者は、知っておくべきことがあります。 それは、契約書と契約とは概念として別物だということです。 契約書がないから契約が存在しない、という関係には立ちません。 もしも、労働内容や労働時間等、労働契約について、従業員と揉めるようなことになった場合、相手方との間の契約関係については、いくつか解釈...