00464_破綻状態や行方不明となった家主に代わって、借家人が地代を払えるか?

土地(敷地)の賃貸借は、「土地の所有者」と「土地を利用する者」との間で締結されるものであり、また、建物賃貸借は、「建物の所有者」と「建物を利用する者」との間で締結されるものです。 それゆえ、「土地を利用する者」が、「土地の所有者」から土地を借りて建物を建築し、今度は「建物の所有者」として「建物を利用する者」に建物を貸し...

00461_サブリースにおける賃料減額リスク

サブリースの一番の問題は、「一定額の賃料を長年にわたって確定的にもらい続ける保証がない」ということです。 不動産屋から、「定期的に賃料を自動で増額させていただきますから」などという甘言が用いられ、あたかも長期の賃料保証がなされているケースがあります。 しかし、たとえ、このような定めがあったとしても、一定期間後に賃料が減...

00460_サブリースのビジネスモデル

いわゆる「サブリース」方式と呼ばれるものについてですが、法的には要するに単なる「転貸」(日常用語にすれば「又貸し」)なのですが、「所有権者(オーナー)が業者に建物全体を賃貸し(賃貸1)、その業者が、建物の運営・管理を一気に引受けた上で、さらに、各区画を賃借人に又貸しする(賃貸2)」という2段階の賃貸借契約を想定して行わ...

00445_買おうとする土地が「農地」だった場合の対処法

私的自治の下では、私人同士、自らの所有する財産を自由に交換して、それぞれの経済的な合理性を追求することができるのが大原則です。 土地という財産についても、私人は自由に売買の対象とすることができるのが原則であり、当事者間で「売った」「買った」との意思が合致すれば、所有権が移転するはずです。 ところが、農地法は、この大原則...

00435_定期賃貸借制度が、不動産オーナーにとっての大きな意味と価値をもつ理由

借地借家法の規定だと、何だかいつまでも更新が繰り返されてしまいそうですし、実際に、裁判例も、借りる側に有利になるよう、「正当事由の存在」についてとても厳しく判断しており、これでは、逆に不動産オーナーにとってあまりに不当な結果となりますし、これでは、優良不動産の有効活用ができなくなってしまいます。 そこで、借地借家法にお...

00434_借地借家法における契約期間更新のルール

賃貸借契約とは、当事者の一方が他方に物の使用等をさせ、これに対し相手方は使用等の対価を支払うことを約束する内容の契約です。 民法は、賃貸借契約の「期間」について、「賃貸借の存続期間は、20年を超えることができない。契約でこれより長い期間を定めたときであっても、その期間は、20年とする(604条)」と定めるのみで、あとは...

00426_食品PL訴訟事件:こんにゃくゼリー事件

2007年頃から、こんにゃくを材料としたやや弾力性の高いゼリーを噛まずに飲み込み窒息してしまう事件が相次ぎ、社会問題にもなっていました。 そして、2008年7月、「子供や高齢者は喉に詰まるおそれがあるため食べないように」と記載された警告文に気付かず、1歳9カ月の幼児に凍ったこんにゃくゼリーを食べさせてしまい、窒息死する...

00425_製造物責任法(PL法)の概要

ある商品が原因となって損害が発生した場合、損害の賠償を請求するためには、民法の不法行為規定(民法709条以下)に従って、被害者側が、加害者の故意・過失などを立証しなければなりません。 しかしながら、当該商品の詳細や製造過程に関する情報はすべて加害者の下にあることから、この故意・過失を立証することは容易ではなく、商品が原...

00414_欠陥商品を販売して重大な損害が発生した場合の店舗の責任

わが国においては私的自治の原則が支配しており、私人間の法律関係は、それぞれの個人が自由意思に基づいて形成できるとされています。 この原則を支えるものとして、過失責任の原則というものがあり、自分の意思に基づく行為(故意)や、あるいはミスによって(過失で)行ってしまった行為以外については、なんら責任を問われないという原則が...

00391_賃料を払っていたが、敷金を差押さえられた。もはや、賃貸借の解除はやむを得ないか?

そもそも、わが国においては、私人間でどのような約束をしても、原則自由であり、法的効力が認められます。 これは、旧来の封建的な制約をなくして、自由な経済活動をできるだけ拡大することが、競争による経済の発展を目指すわが国の国是にかなうと判断されたことによります。 ところが、契約を全く当事者の自由に任せてしまうと、強者による...