00447_ざっくり、アバウトに「著作権侵害だ!」というだけでは、具体的な権利侵害主張とは不十分な理由

映画等が録画されたDVDは、著作権法上「映画の著作物」(著作権法2条3項等)として保護されます。 著作権法は、家庭での視聴を別として、このようなDVDに関して、「複製」「上映」「公衆送信等」「頒布」等の行為をすることを禁じています。 すなわち、著作権法は、著作者に対して、細かい具体的な権利(前記の禁止行為に対応する「複...

00440_職務著作(法人著作)として、作品著作権を企業が有無を言わさず「お召し上げ」できる「業務従事者」の範囲

例えば、観光ビザで来ていた外国人に会社の仕事を手伝わせた際できあがった作品を「職務著作(法人著作)」で「お召し上げ」できるか、というケースを考えます。 「観光ビザで来ていたんだし従業員の訳がない!」などという文句が付けられた場合、当該外国人が、「業務に従事する者」に該当するかどうかが問題となります。 一般的に当該要件は...

00439_職務著作とは

職務著作(法人著作)とは、従業員が創作した著作物について、使用者である企業に「著作者」の地位を直接与える制度です(著作権法15条)。 特許法にも類似の制度(職務発明)がありますが、こちらはあくまでも「発明者」は発明を行った当該従業員であり(発明者主義)、「職務発明と認められる場合には会社が相当な対価を従業員に支払って特...

00419_苦労して作り上げたデータベースも、著作物として保護されないリスクがある

著作権法は、データベースについて「データベースの著作物」として保護されると規定されています。 しかし、著作権法は、「創作的表現」を保護するものであり、すべてのデータベースが平等に保護されるわけではありません。 同法によれば、「データベースでその情報の選択又は体系的な構成によって創作性を有するもの」のみが保護されるとされ...

00413_コンピュータ・プログラムを「買った」と思い込んでいる企業のリスク

著作権法は、特許のようにアイデアを直接に保護するものではなく、人の心を揺さぶる創作的な表現を保護することを目的としています。 したがって、著作権法が保護する著作物というと、絵画や小説といったものが思い浮かびますが、「0」と「1」の無個性の記号の羅列であるコンピュータプログラムにも著作物性が認められることがあります。 す...

00370_職務発明を企業のモノにするためのハードル

企業が職務発明を自社のモノとして専有するにはいくつかハードルがあります。 まず前提として、職務発明に該当するためには、1 企業等に雇用される従業員が、2 その業務の範囲内において行った発明で、3 現在または過去の職務に属する発明である必要があります(特許法35条1項)。 当該企業等に雇用されていない委託先の別会社の従業...

00369_職務発明制度

特許を受ける権利は、発明を自ら行った者(発明者)に与えられるのが原則であり、法人は発明者にはなり得ないとされています。 したがって、当該発明を自ら行った者が特許申請を行い、特許権を取得するのが通常です。 しかしながら、発明はその技術が高度であればあるほど多大な費用が必要となります。 そして、通常、企業などに所属する従業...

00364_特許技術を研究発表する際に絶対注意すべき、新規性喪失リスク

自由な競争による経済社会の発展を標榜するわが国において、「特定のアイデアや思いつきといったものに規制がかけられ、その使用が制限される」などというのは、国是に真っ向から反する話です。 しかしながら、「斬新で高度な技術に対して一定期間独占的な利用権を与え、保護することにより、発明が促進し、産業が発達し、結果として社会や国家...

00363_「(不正競争防止法上の)営業秘密保護制度」が、特許より強力で使い勝手がいい場合

製造方法のような企業秘密は、「特許として公開(特許にする以上、一定期間の独占の代償として秘密を全世界に向けて暴露することが要求されます)にしない限り、法律上の保護を一切受けられないのか」というと、そんなことはありません。 ここで登場するのが企業法務の伝家の宝刀、不正競争防止法に規定される「営業秘密」です。 あまり知られ...

00362_「競争優位を図るため特許出願したら、却って競争優位を喪失する(自爆出願)」リスク

特許権、実用新案権、意匠権及び商標権を総称して、産業財産権(かつての工業所有権)といいます。 近年のわが国の「知的財産戦略」のお陰で、特許権をはじめとする産業財産権は一躍脚光を浴び、マスコミ等が騒ぎ立てる「発明で大金持ち」のシンデレラストーリーと相まって、「何でもかんでもとにかく出願」という風潮が高まりました。 しかし...