02028_「プロのビジネス弁護士の本源的能力」は、「課題を発見し、課題を仕事にし、仕事をカネに変える力」

プロのビジネス弁護士としてやっていくには、法律の知識も勿論必要ですが、それだけでは全く足りません。

「プロのビジネス弁護士が実装しておくべき真の能力」
とは、
・課題を発見し、
・課題を仕事に変え、さらに
・その仕事を金に変える力
です。

この能力がなければ、弁護士はただの
「法律に詳しい物知り」
「クイズ法律王」
に過ぎません。

1 課題を発見できる能力

(1)洞察力と観察力

弁護士の重要な能力の1つは
「課題を発見する力」
です。

これは、クライアントが気づいていない潜在的な問題を見つけ出す能力を意味します。

洞察力と観察力と想像力と経験知がここで求められます。

例えば、企業の幹部が
「我々は法的に問題ない」
と自信満々に言っている場合、その裏に潜むリスクを見抜く目を持つことが重要です。

(2)リサーチと情報収集、そして「問題の本質」の見極めと効果的なプレゼン

問題を正確に把握するためには、徹底したリサーチと情報収集が不可欠です。

弁護士は、法的な先例や関連する法律文献、クライアントの過去の事例などを調査します。

しかし、それだけでは不十分です。

真の価値ある法的助言は、本に載っていませんし、載っていてもわかりにくく、本質から遠い表現でしか書いていません。

これをしびれるくらい、わかりやすく、効果的に
「刺さる」、
インパクトがあり、コンパクトな表現でプレゼンする必要があります。

これには、教養、哲学、想像力、経験、何より修羅場をくぐった経験に基づくホンモノの経験知が必要です。

これにより、クライアントに対して効果的な助言を行うことができ、クライアントが認識や理解をしていない(あるいは認識や理解を拒絶する場合もあり)課題やその現実的重みや重篤性や緊急性を共有できます。

2 課題を仕事に変える能力

(1)問題の定義と目標設定

発見した課題を実際の仕事に変えるためには、まずその問題を明確に定義(さらに言えば発見・創出)し、解決のための具体的な目標を設定する必要があります。

この段階では、問題を細分化し、優先順位をつけることが重要です。

(2)戦略の策定

課題を解決するための具体的な戦略を策定します。

ここでは、問題の原因を分析し、最適な解決策を見出すための創造的なアプローチが求められます。

また、戦略の実行に必要なリソース(予算を当然含みます)の確保や、実行計画の詳細なスケジュールを作成することも重要です。

3 仕事を遂行する能力

(1)実行力と調整力

課題を仕事に変えた後は、それを確実に遂行するための実行力と調整力が求められます。

プロジェクトの進捗管理、チームの調整、クライアントとのコミュニケーションなど、多岐にわたるタスクを効率的に管理する能力が必要です。

(2)問題解決と柔軟性

プロジェクトの遂行中には、予期せぬ問題や障害が必ず発生します。

その際に迅速に対応し、柔軟に計画を修正する能力が求められます。

臨機応変な対応力と問題解決能力が試されます。

4 仕事を金に変える能力

(1)価値の提供と交渉力

遂行した仕事を金銭的な価値に変えるためには、自らの提供する価値を正しく評価し、それに見合った報酬をクライアントに請求する交渉力が必要です。

自信を持って自らの価値を主張し、適正な報酬を得ることが求められます。

(2)継続的な関係構築

仕事を一度金に変えるだけでなく、継続的な関係を築くことで、安定した収入源を確保することが重要です。

クライアントとの信頼関係を深め、リピートビジネスを獲得するためのフォローアップが求められます。

5 まとめ

弁護士の本源的能力は、単なる法律知識にとどまりません。

課題を発見し、それを仕事に変え、遂行し、最終的に金に変える力が必要です。

これができなければ、ただの法律に詳しいだけの物知りで終わってしまいます。

真のプロフェッショナルとして成功するためには、常にクライアントの期待を超える成果を出し、信頼を勝ち取ることが求められます。

弁護士としての成功は、法律の枠を超えた洞察力、戦略的思考、実行力、そしてビジネスセンスにかかっています。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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02027_出資とは何か?借金との違いと考え方の基本(教えて!鐵丸先生Vol. 35)

<事例/質問> 

事業に出資してもいい、という方が出てきましたが、出資というのを実はよくわかっていません。

借金とどう違うのですか?どう考えたらいいですか。基本的なところを教えてください。

<鐵丸先生の回答/コメント/助言/指南>

事業に出資してもいいという方が現れたものの、出資が何かよく分からないという方も多いでしょう。

借金とどう違うのか、基本的なところからお教えします。

まず、
「出資」
とは何かを理解するために、関連する用語を整理しましょう。

出資(投資)と融資という言葉があります。

これらの関係を理解することが重要です。

株式会社の経営を例に考えてみましょう。

株式会社は、外部から資金を調達し、その資金でヒト・モノ・チエという資源を組み合わせ、商品やサービスを提供し、営業活動によって利益を上げる仕組みの組織です。

株式会社がお金を調達する方法は大きく2つあります。

株主からの出資と、銀行などからの融資です。

株主が出資することは、株主の立場から見ると投資をするということになります。

融資とは借金のことであり、返済期限が設定されていて、期限までに金利を付けて返済する必要があります。

しかし、一度借りたお金は会社が自由に使えるため、基本的には債権者から経営に口出しされることはありません(返済が滞れば別ですが)。

一方で、出資や投資は返済不要のお金です。

「返さなくていいの?」
と思われるかもしれませんが、会社が存続する限り返済する必要はなく、会社が解散したときに残余財産を分配する際に返すことになります。

出資や投資をした株主には経営に対する権利が与えられます。

年に1度の株主総会で意見を述べたり、取締役を選ぶ投票ができるのです。

また、会社が利益を出した場合、その利益から配当を受けることができます。

まとめると、次のような選択肢があります:

  • 融資:返済が必要で、経営に口出しされない。借金して独立して自由に経営したい場合。
  • 出資:返済不要で、経営に口出しされる可能性あり。利益が出たら配当を分け合う。経営に参加してもらう代わりに資金を得る場合。

さらに、投資をすると経営に関与したり、配当を受けるだけでなく、株式公開によって大きなリターンを得るチャンスもあります。

これが
「出資」

「借金」
の基本的な違いであり、それぞれのメリットとデメリットです。

出資を受けるか、融資を受けるかの選択は、あなたの事業の目指す方向性や経営スタイルによって異なるでしょう。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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02026_中小企業の海外でのM&A成功例について(教えて!鐵丸先生Vol. 34)

<事例/質問> 

中小企業の海外M&Aについて、知り合いの経営者が、皆ほとんど失敗している、と言っていますが、

逆に、成功しているところってどんなところなんでしょうか?

成功の秘訣のようなものはあるのでしょうか?

<鐵丸先生の回答/コメント/助言/指南>

「海外進出を任せるに足るリーダー(責任者)」
の有無が成功・失敗を分ける最大のポイントです。

このリーダーのスペックを議論する前提として、まずは彼らのタスクを明確にする必要があります。

「海外の国や人々や各団体と仲良くなって、国際交流する」
などといった活動とは真逆の、国内事業展開より数倍、数十倍困難な海外進出を経済的に成功させるためのタスクです。

以下に、私の実務経験を基に設計したタスクを示します。

1 現地の人間にナメられないような制度やカルチャーを現地法人に浸透させ、確立する。
2 強烈な強制力を持った圧倒的なオーラを醸し出し、徹底して高圧的な支配を実行する(とはいえ、支配的な要素は見せず、極めてジェントルかつエレガントに展開する)。
3 俗悪・無作法・怠惰を許さない、徹底した管理を行う。
4 客観的基準と合理的観察による厳しい能力評価を行い、論功行賞を明確に実施し、ルール違反者に対する厳しい懲罰を徹底する。
5 独占禁止法を無視する精神で、競争者の存在を否定し、新規参入を容赦なく阻止する形で市場を迅速かつ圧倒的に支配する(法令には細心の注意を払う)。
6 このような市場支配を大量の資金と物量を背景に、高圧的に、スピーディーに、SMART基準に従って効率的に行う。

もちろん、コンプライアンスは無視できませんので、諸外国の法令を含めてあらゆる法令に違反しないよう、細心の注意を払う必要があります。

「海外進出を任せることのできるリーダー(責任者)」
の人材イメージとしては以下のようになります。

1 海外進出を経済的に成功させるために必要な各タスクを、命を賭して完全に成し遂げる強靭な意志。
2 各タスクを一定の冗長性を確保しつつ、涼しい顔で平然とやり遂げる知識・経験・スキル。
3 成功時に得られる魅力的なインセンティブを設計し、臆面もなく要求する豪胆さと、それに対する健全な欲望。
4 声を発することなく、被支配者が自然とひれ伏す強烈なオーラ。
5 悪魔の手先のような性根。
6 遂行しているタスクの厳しさを全く感じさせず、常にジェントルかつエレガントに振る舞う典雅さ。

このリーダー像に、どこかで見覚えがあると感じるかもしれません。

それは、東京でたまに見かける
「日本人を蔑視して、舐め腐っていて、死ぬほど高額の給料をもらい、唖然とするくらい良い暮らしをしている、クソ忌々しい外資系企業の幹部」
の姿に似ていませんか?

そして、そういった幹部によって経営されている外資系企業は、どの企業も順調に儲かっているのではないでしょうか。

このように説明すれば、帰納的に理解・納得いただけるのではないかと思います。

詳細は、以下をお聴きください。


※「教えて!鐵丸先生」のコーナーは、番組後半、40分30秒以降から開始されます

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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02025_中小企業の海外M&Aについて(教えて!鐵丸先生Vol. 33)

<事例/質問> 

中小企業の海外M&Aについて、知り合いの経営者が、皆ほとんど失敗している、と言っています。失敗する原因のようなものって、あるのでしょうか?

<鐵丸先生の回答/コメント/助言/指南>

中小企業の海外M&Aについて、多くの経営者がほとんど失敗しているといえます。

では、失敗する原因は何なのでしょうか?

中小企業のほとんどが海外M&Aで成功していないのは、現実的な目的が具体的に明確に整理されていないことが主な原因です。

本音と建前が曖昧で、頭の中がカオスになっている企業や、
「国際進出をした国際的な企業の社長」
と見られたいという見栄で進出を自己目的化している企業は、確実に失敗します。

そもそも、なぜ中国やその他アジア各国に進出するのでしょうか?

その経済的意味はどこにあるのでしょうか?

ここでは倫理や道徳を捨て、純経済的に目的を考察します。

「生産拠点を日本からアジアにシフトすることを考える企業」
にとって、アジア進出のメリットは
「低賃金」
です。

つまり、
「現地の方を安い給料で雇える」
という理由で進出するのです。

だからこそ、
「最近は中国の人件費が高くなったからベトナムがいい」
「いや、ベトナムも高いから、ミャンマーやカンボジアだ」
といった話が出てくるのです。

要するに、生産拠点をシフトする形で中国に進出する企業は、中国が好きだとか、民間レベルの日中友好を進めたいとか、本場の中国料理が好きだとか、そういう動機ではなく、
「安くて豊富な労働力がある」
と考えて進出するのです。

だから、中国より安いところがあれば、経済的判断に基づいて進出先を変更するのです。

かつての植民地支配の時代、欧米列強は現地の労働力を廉価に活用できるという理由でアジアやアフリカ、中南米に生産活動を行いました。

現代の企業がアジアに進出する動機も、倫理や道徳を捨てて純経済的に考えれば、これと同様です。

また、別の企業は進出するアジアの国を、自社の商品を消費してくれる巨大市場とみて進出します。

この点でも、かつての欧米列強が文明レベルの低いと見なした現地人に対して価値ある商品・サービスを提供し、市場支配を目指したのと同様です。

現代の企業も、有利な競争環境を求めてアジアに進出します。

無論、企業はこんな
「時代錯誤も甚だしい下劣な言い方」
で動機を語ることはありません。

ジェントルでエレガントに響く進出目的(相互互恵による国際的な協調、対等なパートナーシップによる相互発展など)を掲げ、情報を偽装します。

「この種の韜晦をいけしゃあしゃあとカマし、実際の動機は植民地時代の欧米列強と同様のものを持ち、これをSMART基準に落とし込み、的確な指示を出し、目的を達成する」
企業は、まず間違いなく進出に成功します。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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02024_企業が抱える解雇にまつわるトラブル(教えて!鐵丸先生Vol. 32)

<事例/質問> 

知り合いの社長が、労働者から訴えられて、裁判でも主張が受け入れてもらえなかったとぼやいていましたが、企業が労働問題で苦労するのは何か原因があるのでしょうか。

逆に、労働問題を起こさずに安全・安心に経営するコツってあるのでしょうか?

<鐵丸先生の回答/コメント/助言/指南>

企業が労働法でつまずく大きな原因は、企業が
「ヒト」

「モノ」
の区別を正しく理解していないことにあります。

昔、人類社会には奴隷制度がありました。

労働力を提供する
「奴隷」
と呼ばれる人たちは、人間としての権利や尊厳を持たず、
「モノ」
と同様に扱われていました。

例えば、仕事でパソコンという
「モノ」
を使います。

パソコンは手頃な値段で購入でき、情報処理を助けてくれます。

しかし、何年か経つと壊れたり、陳腐化したりして使えなくなります。

そのとき、私たちは使えなくなったパソコンをどうするでしょうか?

大事に保管し続けたり、保守料を払い続けたりはせず、速攻でゴミ箱に捨ててしまいます。

では、労働者はどうでしょうか?

労働者はモノとは違い、成長し続ける存在です。

しかし、時には健康を害したり、スキルの見直しが必要になったりすることもあります。

経営者はそうした状況の労働者をどうするのでしょうか?

多くの社長さんは
「速攻で解雇してポイ」
と言いたいでしょう。

また、実際にそうしている社長さんも少なくないと思われます。

なぜなら、
「日本では、10社中7~8社の企業が労働関連法規を無視して経営している」
という実態があるからです。

しかし、残念ながら、近代法治国家では
「ヒト」

「モノ」
は明確に区別されています。

パソコンでできるような廃棄物処理は、
「ヒト」
には一切許されません。

ヒトとモノの区別ができていない、古臭い人権感覚を持った企業トップが多いことが問題です。

そのため、
「日本では、10社中7~8社の企業が労働関連法規を無視して経営している」
実態が改善されず、厳然と存在しているのです。

詳細は、以下をお聴きください。


※「教えて!鐵丸先生」のコーナーは、番組後半、37分47秒以降から開始されます

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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02023_労働問題を起こさずに安全・安心に経営するコツ(教えて!鐵丸先生Vol. 31)

<事例/質問> 

労働紛争が増えていると思いますし、知り合いの社長が、大変苦労した、と聞きました。

労働裁判ってやっぱり難しいのですか?

<鐵丸先生の回答/コメント/助言/指南>

労働紛争が増えている昨今、労働裁判は本当に難しいものなのでしょうか?

企業の経営には、ヒト、モノ、カネ、チエといった経営資源が必要ですが、その中でも
「ヒト」
すなわち
「労働者」
という資源は非常に重要です。

しかし、経営者にとって最も知識が不足しているのが労働取引に関するルール、つまり労働関係法規です。

毎年発行される
「労働白書」
によれば、労働基準監督官が国内の事業所を調査した結果、労働基準法や労働安全衛生法などの違反率は毎年70%前後、業種によっては85%前後に達しています。

つまり、日本では10社中7~8社が労働関連法規を違反して経営しているという実態が浮かび上がってきます。

このため、労働問題は税務問題と並んで
「つつけば必ずホコリが出る」
法務課題の代表例です。

最近、政府の政策で増えた弁護士たちが労働者の代理人となり、企業を次々と訴えているのもその一因です。

企業が訴えられて弁護士の事務所に駆け込む際、最初に言われるのは、
「先生、こんなインチキ通るんですか!こんなの絶対おかしい。出るとこ出たら、絶対勝って下さい!」
というものです。

しかし、冷静に事実関係を確認し、関係法令や裁判例を示すと、多くの場合は企業側に非があることがわかります。

「出るとこ出た」
ら、かえって自分が恥を晒すことを理解していただくのです。

相談に来た当初は鼻息荒かった社長や人事責任者も、最終的にはしょんぼりして、
「なんとか和解でお願いします」
と蚊の泣くような声で言うようになります。

労働問題を防ぐためには、経営者として労働環境の改善と法令順守を徹底し、問題が深刻化する前に専門家に相談することが重要です。

労働者との信頼関係を築くことも大切であり、日頃からのコミュニケーションが鍵となります。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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02022_刑事事件への対応やアプローチ(教えて!鐵丸先生Vol. 30)

<事例/質問> 

先生は、刑事事件って受けられます?

刑事事件について取り組む場合、どのような対応をされていますか?

「畑中鐵丸先生”ならでは”のアプローチ」
とかってありますか?

<鐵丸先生の回答/コメント/助言/指南>

刑事事件についての私の考えをお話ししましょう。

刑事事件が刑事裁判にまで持ち込まれたら、勝ち目はほぼありません。

99.9%負けるのです。

こんな不利な土俵で戦うのはあまりにも愚かです。

もちろん、無罪判決を勝ち取る名手のような弁護士もいますが、その先生方でさえ、常に無罪を勝ち取れるわけではありません。

つまり、
「無罪判決を取れるスキルがある!」
と豪語する弁護士でも、失敗事件があるのです。

刑事裁判の有罪率が99.9%という事実を考えれば、どんな凄腕の刑事弁護士でも表に出さない失敗事件が相当数あると考えるのが合理的です。

しかし、私自身も刑事事件で勝っているケースは多く、それもかなりの割合を占めます。

その理由は、
「裁判になったら99.9%負ける」
というゲームのルールを前提にしているからです。

このルールを所与として、前提条件を潰すことに注力し、
「裁判にしない」
「裁判になる手前で事件を潰す」
という特殊な刑事弁護活動を展開しています。

具体的には、客観面で争える場合には、警察や検察が辟易するまで徹底的に事実との齟齬を争います。

客観面で争うことが難しい場合でも、認識面、故意か過失か、不注意かといった主観面を徹底して争います。

それでも争えなければ、情状面で争い、事件としてではなく事故として未立件や立件阻止を目指します。

そして、立件されても不起訴を目指し、
「裁判以前の手前の段階で事件潰し」
を画策します。

私や私が所属する弁護士法人畑中鐵丸法律事務所では、このような
「公判前弁護活動」
を中心に刑事事件を取り扱っています。

その結果、多くのクライアントに満足していただいています。

刑事訴訟にまでもつれ込んだ場合には、作戦環境の現実的認識・評価を前提にして、作戦目標についてクライアントと徹底した議論を行い、執行猶予や減刑を目指し、尽力します。

劇的な無罪判決は少ないかもしれませんが、目標達成に向けた取り組みで、こちらも多くのクライアントに満足いただいています。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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02021_裁判官にも個性がある?変わった裁判官の話(教えて!鐵丸先生Vol. 29)

<事例/質問> 

裁判官というと、みなさん、だいたい同じように真面目でしっかりしていて、コンサバなイメージですが、プロの弁護士としてご覧になっていて変わった裁判官とか理解に苦しむような裁判官っているのですか?

<鐵丸先生の回答/コメント/助言/指南>

裁判官といえば、真面目で堅実なイメージがありますが、実際には変わった裁判官もいます。

プロの弁護士として見てきた経験から、少しご紹介しましょう。

行政官僚と裁判官は、バックグラウンドや試験科目が似ており、どちらも東大や京大などの難関大学出身が多いです。

行政官僚は
「法律による行政」

「絶対的上命下服」
の原理で厳しく規律されています。

しかし、裁判官はその反対で、憲法76条3項により
「独立して職権を行う」
とされています。

つまり、裁判官は自分の良心に従い、誰にも指示されずに仕事を進めることができます。

そのため、裁判官の中には個性が強く、独特な判断をする人もいます。

例えば、
「東京地裁の藤山コート」
という言葉が法曹界では有名です。

1999年頃、東京地方裁判所の行政専門部の1つである地裁民事3部に、藤山雅行という裁判官がいました。

彼は国側に不利な判決を連発し、
「国破れて山河在り」
にちなみ
「国破れて3部あり」
とまで言われました。

彼の裁判部で訴訟を起こそうとする原告側が多く、何度も訴え提起と取り下げを繰り返すという噂もありました。

裁判官は非常に自由に自分の判断を下すことができます。

地裁の一裁判官でも、誰の命令も受けず、独自の解釈で法を運用します。

そのため、裁判官の個性や判断基準が大きく影響するのです。

実際、裁判官の中には常識や良識が通じない、非常に独特な方も少なからずいます。

司法試験に合格したエリート裁判官は、日本に約2800名いますが、その中には常識的な方もいれば、非常に個性的な方もいます。

こうした裁判官の存在が、裁判の予測を難しくし、奥深いものにしているのです。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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02020_弁護士が裁判所で意識する話し方や態度(教えて!鐵丸先生Vol. 28)

<事例/質問> 

プロの弁護士として、裁判所でお話されたり行動されたりする場合、話し方や態度でどんなことを意識されているでしょうか?

<鐵丸先生の回答/コメント/助言/指南>

弁護士として裁判所で話す時に意識するポイントをお話しします。

まず、弁護士は決して偉くはありません。

裁判は弁護士なしでも進められますし、必須の存在ではないのです。

裁判において絶対的に偉いのは裁判官だけで、彼らは圧倒的な権力を持っています。

裁判官は、憲法76条3項に基づき、その良心に従い独立して職権を行使します。

つまり、裁判官は誰にも指示されず、自分の判断で裁判を進めることができます。

この
「裁判官の独立」
は、他の国家機関や上司からの指示や干渉を受けないことを意味します。

裁判官は、自分の判断で事実を認定し、法律を解釈し、解決を決定するのです。

弁護士は裁判所の出入り業者のような存在です。

納期を厳守することが求められ、提出物や主張の期限を守らないと裁判官に嫌われます。

裁判官は
「小さい頃から宿題を期限内に提出する」
タイプの人たちであり、納期感覚がしっかりしています。

そんな彼らに対して、ルーズな態度は通用しません。

弁論準備室や法廷でのやり取りは時間が限られているため、主張や証拠は事前に提出する必要があります。

提出期限は通常、期日の1週間前に設定されますが、遅れそうな場合は事前に報告・連絡・相談(ホウレンソウ)を徹底し、対応を協議することが重要です。

弁護士が意識すべきなのは、裁判官の心証を良くするための態度です。

納期厳守とフォローを怠らず、裁判官に対して誠実で真面目な姿勢を見せることが、裁判を有利に進めるための鍵となります。

これらを徹底することは、裁判官の心証を少しでも良くして、クライアントにとって有利な結果を導くために、きわめて重要なポイントになります。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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02019_法廷ドラマと現実の裁判の違い(教えて!鐵丸先生Vol. 26)

<事例/質問> 

法廷もののドラマをよくみますが、ドラマの中の裁判と現実の裁判とではどんなところが違うのでしょうか?

プロの弁護士の方が、法廷ドラマをみていて違和感を感じることがあったら、教えて下さい。

<鐵丸先生の回答/コメント/助言/指南>

法廷ドラマはスリリングで見応えがありますが、実際の裁判とはかなり異なります。

プロの弁護士が感じる違和感についてお話ししましょう。

まず、ドラマでは傍聴席がいつも満席ですが、現実の裁判はほとんどガラガラです。

コロナ前から同じで、傍聴人がいないことも珍しくありません。

また、ドラマでは弁護士が熱心に主張を読み上げますが、実際の民事裁判では事前に書面で提出され、法廷では
「準備書面を提出した」
と報告するだけです。

傍聴人には何が話されているのか全くわからないまま進行します。

証人尋問も違います。

ドラマでは裁判官が興味深く聞いていますが、現実ではあまり興味を示しません。

結論を先に決めていることが多いため、ただ流れ作業のように進めます。

ドラマのような激しい異議や驚くべき新事実の暴露もほとんどありません。

尋問では予想外の答えを引き出す質問は避けられ、すでに知っていることを確認するだけです。

証人が観念して真実を語るシーンも現実には少ないです。

証人尋問では嘘がつき放題であり、年間数万件の民事事件の中で偽証罪に問われるのはごくわずかです。

嘘をついてもお咎めなしなので、信憑性のある嘘をついた方が勝つことが多いのです。

民事裁判では真実や正義よりも、エゴ対エゴ、欲対欲の争いが中心です。

途中でやめたり和解で終わることが多く、判決まで持ち込むケースはまれです。

和解が多いのも特徴です。

判決言い渡しの日には原告も被告も欠席し、裁判官は結論をぼそぼそと述べるだけで理由は省略されます。

日本では、加害者にやさしく被害者に厳しいのが現実です。

パワハラ、セクハラ、モラハラなど、精神的苦痛の賠償、慰謝料は、本当に安いです。

弁護士費用の方が高かったりするのです。

「やられたらやり返す」
のは大損。経済的には、
「やられたら、放置」
「やられたら泣き寝入り」
が一番オトク、というのが現実なのです。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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