01534_企業において「妙な外来語」が飛び交うとき、その企業は危険な兆候に陥っている_2_M&A話

まず、パターンとしてあるのが、M&A話です。

やぼったいマルドメ(まるでドメスティック)企業の社長が、突如、
「デューディリ(デューディリジェンス)」
「DIPファイナンス」
「プレゼントバリュー」
「DCF」
「EBITDA」
「EBITDAマルチプル」
「シナジー」
「PMI(ポストマージャーインテグレーション)」
なんて言葉を使い出しはじめます。

M&Aという手段ないし方法は、まともな使われ方をする場合もありますが、現在においては、ほとんどの場合、倒産処理方法の1つとして機能しています。

ある企業が倒産しそうになっており、完全に死ぬ前にどこかに安値で引き取ってもらいたい。

「身売り」
というと聞こえが悪いし、社長や会長が納得しないし、話が進まない。

じゃあ、
「M&A」
というハイカラな言葉でごまかしてしまえ。

行き詰まっている企業にM&A話が出てくるとすれば、こんな状況が考えられます。

とはいえ、
「便所」
のことを
「お手洗い」
と言い換えたのと同様で、品のいい言葉を使ったからといって、便所で行う行為が、華麗で美しいものになるわけではありません。

いろいろ外来語でごまかそうとしても、やっていることの本質は、
「身売り」
を前提とした買いたたきと、買いたたきを前提とした実地調査です。

買いたたこうとしている側は、対象企業の社長が
「バカで舞い上がり易いタイプ」
であると見ると、華麗な言葉で、当該社長が調子に乗るようにし向けていきます。

そして、バカが舞い上がっている間に隙をついて、情報収集し、値踏みし、選択肢を巧妙に減らしていき、精神的に支配していきます。

そして、にっちもさっちもいかなくしてから、徹底的に買いたたき、身ぐるみ剥ぎにかかるのです。

見たこともない連中(たいていは偏差値が高そうで、いいスーツを着こなし、バカ高いネクタイをぶら下げている)がうろちょろして、書類をコピーしていき、社長がやたらとM&A用語を使いだすときは、
「M&A」
という名の
「身売り」
が進んでいると見ていいかと思います。

また、企業がM&A話をもちかけられている場合も問題です。

M&A(合併・買収)が、失敗例が相当数あることはあまり知られていません。

正確な調査をしたわけではありませんが、筆者の感覚では
「M&Aの失敗例は、芸能人の離婚率とだいたい同じ比率なのではないか(おそらく90%が失敗)」
と思います。

ちなみに、日経新聞(2011年4月28日朝刊)によると、世界の歴代金額上位3件は、いずれも買収成立から数年以内に数兆円単位の損失が生じている、とのことです。

また、同記事によると、特に、加工型製造業やサービス業といった川下産業の大型M&Aは、川上産業に比べて買収後の経営統合作業が複雑になる面があり、失敗する場合が多いそうです。

M&Aの成功のためには、
1 現実的な投資回収シナリオが機能する適正な買収価格あるいはこれを達成するためのハードな交渉、
2 PMI(ポストマージャーインテグレーション。M&A後の統合実務)による円滑な経営統合作業、
3 全体的な戦略の合理性、
のすべてが必要ですが、これらはいずれも日本企業の
「不得意中の不得意項目」
といえます。

なお、企業に持ちかけられるM&Aの中には、生きている企業ではなく、死にそうになっている企業の買収やこれを前提としたファイナンス(DIPファイナンス)という代物もあります。

DIPファイナンスの
「DIP」
とは、即ち経営再建中の会社、さらに具体的にいうと
「実質的に倒産状態にある会社」
のことをいいます。

これは、たとえていうなら、
「金持ちで若くて健康な人間」
と結婚するのではなく、
「赤貧にあえぎ、かつ今にも死にそうな病人」
との縁談話であり、しかもその縁談に多額の結納金(ファイナンス)を出すという話です。

したがって、DIPファイナンスなどという技法は、普通に考えておよそうまく行くとは期待できない代物です。

よほど人を見る目があれば格別、こういう話に踊らされている企業は後で大きなケガを負う羽目になりかねません。

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01533_企業において「妙な外来語」が飛び交うとき、その企業は危険な兆候に陥っている_1_序

弁護士として、こういう光景に出くわすときがあります。

業種は国内で比較的地味な低成長産業分野で、社長も留学経験も国際ビジネス経験もないにもかかわらず、突如、妙な外来語を話し出し、また、それがとってつけたような話で、本質を理解しておらず、どこか地に足がついていないような印象を受ける。

そんなときは、企業はたいてい危険な徴候にある、と推察されます。

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01532_意味もなく流通経路に居すわっていると「中抜き」される

流通業も再編合理化の大きな嵐が今後吹き荒れることが予想される業界です。

「きちんとした役割や付加価値を提供するわけでもなく、意味もなく流通経路に居座り口銭をはじいているだけの問屋業態」
などは、突然淘汰される危険性が高いと思われます。

「そうは問屋が卸さない」
という諺があります。

江戸時代の服飾流通業界においては、呉服問屋がメーカー(呉服職人)から商品を一手に集め、委託販売形式で小売業者に卸しており、卸売価格の決定権を握ることを通じて、流通支配を行っていました。

したがって、新規参入を考える者が問屋に断りなく店舗を構えようとしても、商品を卸してくれません(現在では「ボイコット行為」として独禁法違反に問われますが)。

このことから、
「相手のある話に関しては、相手がどう考えるかによって変わるので、全てあなたの思うとおりには行かない」
ということを表すものとして、
「そうは問屋が卸さない」
という諺が出来上がったのです。

しかしながら、現在では、小売業者、さらに進んで、消費者に価格決定力がシフトしております。

流通業においては、
「消費者に安くて品質の良いものを、合理的経路で、迅速に届ける」
ということが唯一かつ絶対の正義となっております。

具体的には、小売業者をネットワーク化しこれをコントロールするバイヤーと呼ばれる者が、
「消費者に安くて品質の良いものを迅速に届ける」
という正義を旗印に、卸業者(問屋)さらにはメーカーにまで流通の合理化を要求するようになってきています。

その結果、
「意味もなく流通経路に居座り口銭をはじいているだけの問屋」
はことごとく排除されるようになってきているのです。

今後は、ネット取引の拡大とともに、流通業がますますシビアに整理合理化されていくことになります。

したがって、
「何の特徴もなく、単に特定のメーカーと取引がある、あるいは特定の小売業者の口座を有しているだけで、商品ないし伝票を右から左に流しているだけ」
という類の流通業はある日突然姿を消す可能性が高いといえます。

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01531_ 「○○御用達」が安泰を意味しない、役所も外注を合理化する時代

「○○御用達」
というものが商人のブランドの一つを形成してきたことからも判るように、
「役所から仕事をもらえる」
ということは商売人にとって一種のステータスとなっていました。

発注者の予算が無制限であることもあり、どことなく
「役所と取引があるということは企業の安定の証」
という考え方があったように思われます。

しかしながら、
「取引先が特定の企業に依存していることは危険である」
という話は、仕入れ先や取引相手が
「官公署」
という場合も同様にあてはまります。

赤字国債が連発され、財政破綻の危険が具体化する中で、かつての民主党政権下になって、事業仕分けというものが大々的に行われるようになりました。

現在の財政上、もっとも重荷になっているのは間違いなく公務員の人件費です。

その意味では、財政健全化において、公務員、特に地方公務員の削減こそがもっとも急務の課題と言えます。

民主党が政権を担っていた時代において、民主党も、公約として、財政健全化を掲げていたところから、民主党なりに正しいと考えた財政健全化策に着手しました。

前述のとおり、財政健全化において、公務員、特に地方公務員の削減こそがもっとも急務の課題であることは、知性を働かせれば、だれでも理解できる事柄でした。

同時に、
「自治労が支持母体である民主党に、財政健全化策として、地方公務員の数や人件費に手を付けるような改革を期待しても無理であること」
もまた、誰の目にも明らかでした。

結局、民主党は、
「パフォーマンス」
としての
「事業仕分け」
なる財政健全化策もどきの茶番
を行うことでお茶を濁すこととし、その矛先は、
「切り捨てても文句を言わないところ」、
すなわち、官公署や独立行政法人との取引を行っている業者に向かうことになりました。

その結果、民主党が行った
「財政再建パフォーマンス」
としての
「事業仕分け」
は、官公署や独立行政法人と民間企業の取引を止めたり合理化したり、という方向に行き着くことになります。

このように、官公署との取引に依存している企業は、取引相手方たる役所の都合によって、突然、取引自体が消失したり、消失しないまでも相当程度、規模を縮小することになったりして、不幸に見舞われることがありうるのです。

また、コンプライアンスという観点からも、役所は些細な不祥事であれ、少しでも問題があれば、問答無用で取引を停止します。

すなわち、談合その他の法令違反があれば、軽重を問わず、指名停止扱いとなり、以後、役所との取引から徹底して排除されることになります。

役所からの仕事に依存しているような企業がこのような事態に直面した場合、その企業の命脈は直ちに尽きてしまいます。

実際、筆者が仕事として経験した事案ですが、ある会社において、地方の一営業所の営業マンが自治体職員を接待する、ということが明るみになり、これが贈賄事件に発展して、新聞に報道されてしまいました。

それからまもなく、当該自治体のみならず、ほかの自治体の取引も一切できなくなり、役所からの発注に依存していた主要営業部門が機能停止に陥りました。

その会社は、役所依存から脱却しようと、民間からの受注も開拓していた矢先であったのですが、結局、主要営業部門の取引停止をカバーするだけに成長しておらず、たちまち破綻状態に陥りました。

結果、会社は、再生を断念し、破産に至ったのです。

役所と取引するのは大いに結構です。

しかし、役所との取引の依存割合が極度に高いと、役所の予算の都合で突然取引そのものが廃止されたり、些細な事件や事故がきっかけで事業が全て停止に追い込まれる危険があるのです。

したがって、漫然と役所からの受注に
「全て」あるいは殆どの部分
を依存するというスタンスの企業は、企業の行く末に大きな危険をはらんでいるものといえます。

運営管理コード:YVKSF167TO172

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01530_一社依存取引の危険性

中小企業などで、
「ウチは一部上場企業の□□社が上得意だ」
「当社は世界展開している○○社の取引口座を持っている」
「わが社は、△△社の系列だ」
などと自慢するところがあります。

いずれも、大きな会社が主要取引先であり、
「よらば大樹の蔭」
という諺のとおり、
「そこに依存している限り、我々も倒れないから安心できる、ということを自慢したい」
ということだと思います。

しかしながら、これまで
「世界の工場」
として世界中の製造加工を一手に担い我が世の春を謳歌してきた日本は、冷戦の終結とともに、中国や旧東欧といった、考えられないような低コストで製造加工を請け負う新興勢力との競争にさらされるようになりました。

後発組は、新しい技術を既存のものとして取り入れ、設備も全面的に更新できますし、かつて日本で行ってきた
「傾斜生産方式」
などのように国を挙げての保護支援を受けています。

このような環境の変化を受けて、日本の多くの企業は、部品や関連製品の調達コストの合理化を常に検討しています。

取引先に対してコストを下げる圧力を強めるほか、調達先自体を多様化し、互いに競争させるような施策を取り始めています。

このような状況下においては、
「取引先が大手一社」
ということは、将来の安全を保障するものではなく、逆に、
「その大手に切られた場合、たちまち経営不安に陥る」
という意味で、きわめて危険な状況と評価できるのです。

下請けや系列の立場でありながら、生き残りを真剣に考えている企業は、このような変化を敏感に感じ取り、新たな仕入れ先を開拓したり、培った技術でまったく新しい製品を作る可能性を検討し始めています。

逆に、こういう状況下で
「取引先が大手だから安泰」
などと考える企業は、認識不足が甚だしいというほかなく、こういうおめでたい企業の将来は芳しいとはいえません。

運営管理コード:YVKSF164TO166

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01529_中小企業における情実の危険性

「古くからの取引先を大事にする」
のは結構ですが、この種の情実が保証や信用供与に及ぶと大変危険な徴候となって現れます。

中小企業の倒産原因で多いのは、連帯保証や過剰な信用供与によるものです。

一般に
「困ったときはお互いさま」
といわれます。

しかし、ビジネスでは、
「感情」

「勘定」
は峻別すべきであり、特に、
「かわいそうだから」
という理由で連帯保証をしたり、手形を使って連帯保証類似の行為をするのは絶対やってはいけないことです。

企業を経営していると、知人や友人から
「金を貸してくれ」
とか
「保証人になってくれ」
という依頼が舞い込むことがよくあります。

そして、そのような依頼に必ずついてくるのは、
「絶対迷惑をかけないから」
という言葉です。

しかし、冷静に考えると、事業をやっている会社に金を借りに来たり、保証人を依頼しに来たりする、というのは、銀行が見放したからであり、銀行が見放すのは、すでに相当程度銀行に迷惑をかけているからです。

人に迷惑を被らせている人間は、たいてい、迷惑を被らせることに鈍感になっています。

そして、そういう人間に限って、眉一つ動かさず
「絶対迷惑をかけないから」
というウソを平然といえるようになるのです。

いずれにせよ、こういう人間の話をまともに取り合うと、間違いなく身を滅ぼします。

助けを求めてきた知人や友人を見放すのはどうも気が引けるという場合には、見舞金を出して追い返すべきです。

ある経営者は、知人や友人が金の無心や保証の依頼に来た場合、
「大変だな。同情する。だが、申し訳ないが、これしかもっていない。見舞金として取っておいてくれ」
といって、状況に応じて10万円以内の適当な額を計算して、これを渡して帰ってもらうことにするそうです。

このくらいシビアでドライな考えをもてない経営者は、今のご時世、会社を経営する資格はない、といえるのではないでしょうか。

運営管理コード:YVKSF158TO161

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01528_生き残る企業は、常に変化する

環境が激変する時代においては、企業は、生き残りのための変革を行い、環境適応しなければなりません。

変革をして環境適応する際には、必ず、新しい事業を興し、新しい市場に参入し、新しい関係構築がついてまわります。

逆に考えますと、会社の取引相手が古くからの会社に固定化されており、長期間変わり映えしない、という状況は、新しい人間関係や商流が形成されていないことの裏返しといえます。

古くからの取引先と十年一日のごとき取引を繰り返しているという企業は、よほどのブランドやコアコンピタンス(絶対的差別化要因)でももっていない限り、生き残りが厳しいといえます。

運営管理コード:YVKSF157TO158

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01527_業界「協調」時代から、業界「競争」時代へ

国際政治における冷戦の終結と日本国内の社会の成熟化の動きを受けて、経済がインフレ・高度成長時代からデフレ・低成長時代へシフトするようになり、これまでの常識は通用しなくなりました。

すなわち、企業は、小さくなっていくパイの奪い合いをしなければ生き残れなくなりました。

護送船団行政や業界癒着構造の終焉の動きに併せて、低成長時代の到来、これによるパイの奪い合い、さらには構造的不況による業界間(内)競争や業界再編の動きが加わりました。

このようにして、日本の産業界は
業界「協調」時代
から、
業界「競争」時代
にシフトしていくことになったのです。

かつては
「健全な経済発展のためには必要なもの」
という論調まであった談合(談合の当事者は、「談合」という言葉を忌避し、「業界協調」という言葉を使いますが、言葉を変えたからといって違法性が払拭されるわけではありません)ですが、リーニエンシーという密告奨励制度まで整備され、カルテルや談合は、法的に徹底的に排除される時代になりました。

このような時代の変化により、企業は
「仁義や友情を欠いても、非情なまでに能率競争(品質と価格の競争)を徹底しないと生き残れない」
という状況に直面するようになりました。

このことは、
「古くからの友人関係をビジネスに優先させる会社は生き残れない」
ということを意味します。

運営管理コード:YVKSF154TO156

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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01526_護送船団方式から規制緩和時代へ

昭和時代・平成時代初期においては、護送船団方式、すなわち
「行政機関は、許認可権限やこれに基づく行政指導などの権限(行政裁量権)を駆使して、業界全体をコントロールしていく」
という産業秩序が構築されていましたが、バブル経済崩壊後の1990年代後半ころから、状況が一変しはじめます。

1998年に、中央省庁等改革基本法が成立し、2001年を以てそれまでの1府22省庁は、1府12省庁に再編されることになりました。

加えて、このあたりから、規制緩和が推進され、
「護送船団行政」
やこれを支えてきた裁量行政は影をひそめ、行政機関の役割は厳格・適正な法の運用と執行に限定されるようになりました。

そして、規制緩和の流れと並行して、
「規制対応は企業の自己責任で行うべきもの」
とされ、かつ、
「規制違反行為に対しては厳しい事後制裁で臨む」
という運用が定着していくことになります。

さらに、これまでは日本の産業界において暗黙の了解事項として是認されてきたカルテルや談合についても、容赦ない摘発と、排除措置・課徴金・刑事罰・指名停止といった厳格な制裁が実施されるようになりました。

これにより、業界間の癒着自体が困難な状況となっていき、護送船団は完全に解体されたのです。

運営管理コード:YVKSF153TO154

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01525_昭和時代の企業経営陣のビジネスジャッジメントのあり方~上を見て、横を見て、後ろを振りかえる

かつての日本企業の推奨されるべき行動原理は、
「上を見て、横を見て、後ろを振りかえる」
というものでした。

「上を見る」
とは、
「お上、すなわち何事も監督官庁にお伺いを立て、その指導のもとに全て物事を決める」
という経営スタンスです。

また、
「横を見る」
とは、
「業界同士協調しながら、事業を進めていく」
というあり方です。

最後に、
「後ろを振りかえる」
とは、
「迷ったら、今までやってきたことを振り返り、先例を踏襲したり先輩の意見を聞きながら判断を行う」
というものです。

前述のように、日本においては、それほど遠くない昔、官庁主導で産業界の育成が図られていた時代が存在していたのです。

この時代においては、各業界において競争力がもっとも欠落した企業も維持・存続できるような業界育成が行政の最大のミッションと考えられていました。

行政機関は、許認可権限やこれに基づく行政指導などの権限(行政裁量権)を駆使して、業界全体をコントロールしていました。

この方式は、最も船足の遅い船に速度を合わせて、船団が統制を保って進行する戦術になぞらえ、
「護送船団方式」
などと評されていました。

この時代の産業界のキーワードは
「秩序ある発展」
であり、当該秩序は、法律や裁判を通じて明確に確立されるものではなく、行政による裁量や業界間の話し合いなどによって何とはなしに決まっていくものでした。

このような時代において、前述の
「上を見て、横を見て、後ろを振りかえる」
という経営スタイルは、護送船団戦略の実を上げるものとして多いに推奨されたのです。

運営管理コード:YVKSF150TO152

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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