01979_英文契約書のドラフトを受け取ったら

英文契約を受け取ったら、英文契約書の言語的意味や内容や意義の解釈のプロセスを経由してから、署名します。 1 文書の言語は完全に理解しているか?2 文書の言葉が理解できるとして、内容や意義は理解しているか? これらについて、不安や疑義があり、積極的な確認ができていないようであれば、まずは、この点の確認、すなわち、“状況の...

01978_刑事事件における供託金の取り戻しについて

弁済供託制度は、「支払いたいが、相手が受け取ってくれない」という課題解決のための制度であり、「供託を以て、支払い完了」というフィクションを、供託者の便宜で実施するものです。 我々弁護士が供託手続きを受任するにあたっては、「供託した場合、取戻しはしない前提とする」という事前確認をクライアントに行います。 無論、制度として...

01977_“パワハラ”事案を知ったときの会社対応

全体・概括として、・パワハラ罪やパワハラ禁止法というものは、法律的に明確な定義は存在しません。・“パワハラ”というものは、不定形で抽象的なものであり、被害者側が、5W1Hを含め、具体的な事実関係と違法性を主張として、固めるまでは、(言い方は不適切かもしれませんが) 会社側としては腕組みして待っていれば足りる話です。・そ...

01976_弁護士を変えて控訴する場合の注意点_控訴期間

民事の訴訟事件において、地方裁判所で棄却の判決がくだされると、「控訴するか」「控訴しないか」という選択段階に入りますが、「控訴する」「控訴しない」は、単純に、手続き上の課題ではありません。 裁判は、緻密で複雑な外交戦です。 ・ゲーム環境・ゲームロジック・ゲームの展開推移予測・現実的期待値・課題の克服可能性これらを踏まえ...

01975_クライアントと弁護士の関係

弁護士と、クライアントとの関係は、民主的な文民統制における、ミリタリー(軍人)と、シヴィリアン(政治家)の関係と同じです。 ・ミリタリー(軍人。弁護士の暗喩)は、奉仕すべきシヴィリアン(政治家。クライアントの暗喩)に対して、判断の前提たる選択肢を抽出整理し、上程します。 ・その際、各選択肢には、客観性を貫いた、怜悧なプ...

01974_労働事件における交渉条件提示を会社側が躊躇あるいは放置していることのリスク

労働事件において、交渉のテーブルに双方がついた状況で、「交渉を進めるための(会社側からの)妥協的条件提示がなかなかできない」ことに相手方がしびれを切らした場合、訴訟(ないし労働審判)に移行、という最後通告を受けかねません。 弁護士としては、クライアントである会社側から、方針について「了承」をもらわないことには、相手方に...

01973_任意整理と民事再生は別物その6_絶対的正解ともいうべき提案モデル

任意整理について、「債権者宛への提案においては絶対的正解ともいうべき提案モデルがある」という前提をもつ債務者は、少なくありません。 しかし、相手側(債権者)の「同意する」「同意しない」という態度に依存する課題である以上、この前提自体には異論を唱えざるを得ません。 もし、”絶対的正解”が存在する前提で弁護士に相談するなら...

01972_任意整理と民事再生は別物その5_再生計画の前提

任意整理を希望する債務者が、民事再生を前提とするような再生計画(債権大幅カットと分割弁済)に、「債権者の多数の同意と認可を見込めるであろう」と企図しても、弁護士としては、その検討・構築には疑義を挟まざるを得ません。 弁護士に依頼さえすれば、債権者から”大幅な債権カットとカット後債権の分割弁済を受諾を得る”ことは可能であ...

01971_任意整理と民事再生は別物その4_小規模個人再生

一般論として、「小規模個人再生は、8割カット、らくらくチャラ」(額にもよります)というように、いわれます。 そこで、任意整理を希望する債務者が、再生計画を 「小規模個人再生」を”参考尺度”として考えがちですが、そもそも、その前提は働きません。 債権者に対して、「小規模個人再生だと、このくらいチャラにされるのだから、これ...

01970_任意整理と民事再生は別物その3_小規模個人再生と給与所得者等再生

個人再生は、民事再生の1つです(民事再生法221条以下に規定がある手続き)。 個人再生には、「小規模個人再生手続」「給与所得者等再生手続」2つの種類があります。 個人商店主や小規模の事業を営んでいるオーナー経営者を対象とする「小規模個人再生」は、主にサラリーマンを対象とする「給与所得者等再生」とは、別物です。 給与所得...