02069_弁護士として、リスクの特定と初期対応の基本的な考え方

リスクとは何かを正確に把握し、その性質や大きさを特定・提案することが重要です。 その上で、そのリスクが顕現しないようにするための予防ないし改善する合理的方策を、クライアントに提示して、実施することになります。 リスクや目的をどう捉えるかによって、選択肢は変わってきます。 たとえば、「道義的なリスク」と「法的なリスク」 ...

02068_弁護士の役割とクライアントの協力体制その1_「最善解模索アプローチ」

弁護士として、クライアントとプロジェクトとの関係を構築する際に重要視している点がいくつかあります。 まず、弁護士が関与する前に生じた不利な状況に対して、クライアント自身がどの程度反省し、その原因を整理して総括しているか、ということです。 これに加えて、弁護士のアプローチである「正解探求ではなく、最善解を模索する」という...

02067_企業法務ケーススタディ:特許侵害訴訟_現状の整理と問題点の認識

<事例/質問> 特許出願をしたところ、特許庁から拒絶理由通知書が届きました。 拒絶理由が解消されるべく、手直しと反論をすることにしました。 手続補正書で権利範囲を修正することに加え、さらに、その補正によって拒絶理由を解消したことを意見書として提出しました。 しかし、再度、絶理由通知書が届きました。 今度は、...

02066_10日間という先方が一方的に設定された期間にしたがうべき理由はない、とするカウンター・サンプル

「~~~~~~」旨の常識では想定しがたい内容の内容証明郵便を受け取り、当方としても非常に困惑しております。 ~~~~~との件について、突如、特段の法的根拠を示すこともなく、10日以内という短期の期間を区切った上で、「連絡せよ」などと要求されても、一般に期限内に対応することは困難を極めます。 まず、「10日間」という期限...

02065_企業法務ケーススタディ:申込金返還問題への対応とリスク管理の指針

<事例/質問> お客様より、申込金の返還を求めて、訴えを起こされました。 申込概要には、「一旦納入された申込金は、いかなる事由であっても返金できません」と記載していますし、お客様も申込書に署名しています。 しかし、お客様は、「こちらには特別な事情が発生した。調べると他の会社では返金された事例があるので、返金...

02064_税務調査に備えるための専門家選び

弁護士や税理士などの専門資格を持つ人はたくさんいます。 経営者の中には「専門家に任せさえすれば、大丈夫だろう」と、楽観的に構える方が少なくありません。 しっかりとしたプロセスを踏んで税務調査に対応する経営者は少数派です。 多くの場合、専門家が単一の選択肢を「これでいきましょう」と提案し、それを鵜呑みにして、進めています...

02063_有事におけるコミュニケーションの文書化とその例外

有事においては、コミュニケーションを文書化することが鉄則です。 つまり、筆談で行うべきだということです。 しかし、例外もあります。 それは、証拠に残したくなくて、下劣でエレガンスに欠ける高潔な人格者にふさわしくないような暴力的なメッセージを発する場合です。 そのようなメッセージを外交のカウンターパートに送ることは、交渉...

02062_企業法務ケーススタディ:テレビ局から取材依頼を受けたときの対応計画

<事例/アンケート> テレビ局から、「ある社会問題について、実態を調査する番組を企画している。公平性を見極め、当事者や関係する個人・企業から取材したい」ということで、わが社に取材依頼がきました。 当時の担当者はすでに退職しておりますが、記録らしきものはあります。 取材を受けたとしても断ったとしても、変な憶測を招きかねな...

02061_企業法務ケーススタディ:裁判官は神様ですか?

法律の世界において、 ・裁判官は、我々の味方でも相手の味方でもなく、コントロールできない「ジョーカー」のような存在です。 ・裁判官は、事件に関し、独裁権力を有している状況ですが、他方で、上訴によってさらなる別の上位の独裁権力のレビューにさらされる可能性もあるため、孤独な独裁者としてのストレスを抱えています。 ・裁判所と...

02060_企業法務ケーススタディ:穏便な退職交渉の現実と選択肢その2

<事例/質問> 40代の男性社員を退職させたいと考えています。 たとえば、「子会社を解散させることで整理解雇を行い、結果として男性社員を退職させる」という案については、どうでしょうか? <鐵丸先生の回答/コメント/助言/指南> 質問者は、男性社員を退職させたいあまり、正常性バイアスに陥り、事案の...