02159_社員の不祥事にどう向き合うか_その4_副業バイトでキャバクラ勤務!?就業規則違反にあたるか?

焦点は「職種」ではなく「副業の中身」 ある人事担当者から、そんな相談を受けたことがあります。 本人に確認したところ、「生活費が足りなかったので・・・」と。 たしかに、副業解禁時代の昨今、副収入を得る手段として夜職を選ぶ人がいるのも現実です。 とはいえ、焦点となるのは「職種」そのものではありません。 問われるべきは、その...

02158_社員の不祥事にどう向き合うか_その3_SNSで暴言、会社に炎上_懲戒処分はできるか?

“ちょっと投稿しただけ”が、企業全体を揺るがす時代に たとえば、ある従業員が昼休みにスマホからフェイスブックを開き、ちょっと愚痴を書き込みました。 「うちの会社、マジでクソ」「あの上司、ほんまムリ」 本人としてはストレス発散のつもりです。 ところが、アカウントには実名、プロフィール欄には勤務先が明記されており、位置情報...

02157_社員の不祥事にどう向き合うか_その2_不倫は“懲戒”できるのか?

「不倫」=「解雇」ではない 芸能人の不倫スキャンダルが連日のように報道され、企業役員や社員が辞任・処分に追い込まれるケースも後を絶ちません。 経営者によっては、「社員が不倫した? それならすぐに処分だ」と、反射的に処分を指示する人も少なくありません。 しかし、私生活上の問題を理由に懲戒処分をするには、高いハードルがあり...

02156_社員の不祥事にどう向き合うか_その1_企業は社員の“私生活”まで管理できるのか?

不祥事の「境界線」は、意外なほど見えづらい たとえば、ある社員が週末に飲酒運転で摘発された。 あるいは、勤務時間外にSNSで過激な発言をして炎上した。 こうした「私生活上の非行」を理由に、企業が懲戒処分を行うことはできるのでしょうか。 企業秩序を守るという名目で、企業経営者が厳正な対応を取りたくなる気持ちはわかります。...

02155_法務部門との連携を外すと、DDは狂う_目的のズレが生む損失

独自の判断は、事故の元 ある会社の営業部において、次のようなケースがありました。 「過去の契約を参考に、こちらでひとまず契約書のドラフトを作ってみました。なかなか出来がよかったので、契約書案と断ったうえで、先方に渡しました。最終的には、法務部でやりとりすることも伝えています」 見よう見まねで契約書を作成し、法務部に相談...

02154_「話せばわかる」は幻想。構造でトラブルを封じる法務技術──第三者を代理人に立てる

相手の理屈に勝つことではなく、話そのものを成立させない。 そんな“封じ方”が、企業法務には必要になる場面があります。 話すこと自体が、すでに罠 人と人とのトラブルというのは、理屈で解決するとは限りません。 相手が聞く耳を持っていれば、話せばわかるでしょう。 ところが世の中には、そもそも「話すこと」自体が罠、という場面が...

02153_会社役員に休業損害は出るのか? 報酬性の法的評価と裁判実務

「会社役員には、そもそも休業損害が出ないのでは?」 交通事故などの損害賠償請求において、こうした問いを耳にすることがあります。 たしかに、会社役員は従業員のような労働契約の相手方ではなく、「会社の機関」としての地位にある――そのため、報酬も一律に「労働の対価」とは言いにくいのが実情です。 けれども、実務の現場では、役員...

02152_アレンジャー契約_調整役の抽象的な価値をどう可視化するか_「書面に落とす」戦略

買収の現場では、時として「何をしてくれるのか、よくわからない」人物に、相当な金額の成功報酬を支払う話が浮上します。 たとえば、ある上場企業の買収案件でのことです。 対象会社の株主や主要取引先との「調整」を名目に、第三者に多額の報酬を支払う契約が検討されました。 契約書には、「株主との各種調整」「取引先との折衝」「情報収...

02151_顧問弁護士交代という選択:なぜ経営者は、顧問弁護士を“替えたくなる”のか

企業のトラブルや課題というのは、表に出るものもあれば、裏に隠れたままのものもあります。 そして、その中間に揺れ続ける“グレーゾーン”という場所に、とどまり続けるものもあります。 法務の現場では、表に見えるストーリーと、その裏で進んでいる本音や意図が、まったく別の形で動いていることが少なくありません。 たとえば、ある企業...

02150_非公式な話を公式に流されないために、弁護士ができること_情報戦時代の名誉と信用

たとえば、こんな場面を想像してみてください。 あなたのもとに突然、記者から一本の電話がかかってきます。 「そちらの報酬について、不当な要求があったと、当事者の方からうかがっているのですが……」 耳を疑うような内容です。 (そんな話は聞いていない。事実無根。むしろ円満に話が進んでいるはず――。) ところが、あなたの名を挙...