01160_疑似法務活動の概念整理>倫理課題・CSR等と企業法務との関係整理>(1)企業倫理とコンプライアンス

2000年代前半、企業における偽装や隠蔽等の様々な法令違反行為が発生・露見し、企業不祥事は社会問題となり、その処方箋として「コンプライアンス」という言葉が流行し、経営課題として突如脚光を浴びました。 当時、企業不祥事をなくすための理念や方策が種々の専門家から提唱されましたが、機能性や有効性の有無や基礎におくロジックも様...

01159_有事対応フェーズ>法務活動・フェーズ4>不祥事等対応法務(フェーズ4B)>(7)各ステークホルダーの特性に応じた個別対応>訴訟対策その2

4 「雪崩現象」を想定した判決回避 交渉がこじれて訴訟に発展した場合でも、極力裁判上の和解を行う方向で調整する努力を行い、判決が出るのを防ぐことになります。 というのは、敗訴判決が出てしまうと、示談交渉中の他の原告がその判決を盾に交渉姿勢を積極化し、いわゆる「なだれ現象」が起こり、一挙に企業崩壊につながる可能性があるか...

01158_有事対応フェーズ>法務活動・フェーズ4>不祥事等対応法務(フェーズ4B)>(7)各ステークホルダーの特性に応じた個別対応>訴訟対策その1

1 被害者代理人のプロフィールや動静に関する情報収集 まず、法令違反により被害を被った被害者が原告となって、企業に対する訴訟提起をしてくることに対して相応の対策を立てる必要があります。 このような場合、最初に調査すべきは、原告がそれぞれ独自にアクションを起こしてくるのか、あるいは、原告団を結成して集団的なアクションを起...

01157_有事対応フェーズ>法務活動・フェーズ4>不祥事等対応法務(フェーズ4B)>(7)各ステークホルダーの特性に応じた個別対応>監督行政機関への対応その2

以上の形で調査した事実を基に、監督行政機関への報告書を作成することになります。 この報告書の作成ですが、刑事弁護における弁論要旨のスタイルに近いものとなります。 まず調査の上、存否を確定した事実を記載し、これに法律や判例の解釈を述べ、事実に解釈したルールをあてはめて処分の発動の是非を論じます。 この段階で、後日客観的証...

01156_有事対応フェーズ>法務活動・フェーズ4>不祥事等対応法務(フェーズ4B)>(7)各ステークホルダーの特性に応じた個別対応>監督行政機関への対応その1

監督行政機関という場合には、上場企業にとっての証券取引所等、いわゆる役所以外にも行政処分を行う機関があるので、これらも含めて考えておくべきです。 法令違反の不祥事を起こした企業の多くは、監督行政機関への報告を要請されることになります。 監督行政機関に適正な報告を実施するためには、関係者への調査を行い、正確な事実を把握す...

01155_有事対応フェーズ>法務活動・フェーズ4>不祥事等対応法務(フェーズ4B)>(7)各ステークホルダーの特性に応じた個別対応>株主総会対策

法令違反の不祥事に伴って不可避的に発生するのが、株主総会での究明質疑です。 株主は企業のオーナーとして、最も重要なステークホルダーです。 とりわけ、株主総会を、実質的な討議の場とすることなく簡潔なセレモニーで終わらせたいと願う日本企業の経営陣の多くにとって、不祥事直後の株主総会ほど忌避したいものはないと思われます。 し...

01154_有事対応フェーズ>法務活動・フェーズ4>不祥事等対応法務(フェーズ4B)>(7)各ステークホルダーの特性に応じた個別対応>報道機関への対応(経営、法務等と連携した戦略広報)

もし企業内の特定の従業者による法令違反行為が争いえない状況であったとしても、少なくとも企業ぐるみ、組織体質による事故ではない旨を説明することも重要です。 適正な内部統制システムを構築し、これを厳正に運用している企業は、コンプライアンス体制を整えるメリットで述べたとおり、「適切な遵法体制を整備しており、法令違反の発生予防...

01153_有事対応フェーズ>法務活動・フェーズ4>不祥事等対応法務(フェーズ4B)>(7)各ステークホルダーの特性に応じた個別対応>一般消費者・取引先等への対応

有事対応としては、一般に被害者対策や報道機関対策に目を奪われがちですが、企業を取り巻く利害関係者は、株主、取引先、金融機関、証券取引所や監査法人(上場企業の場合)、監督行政機関等数多く存在し、かつこれら各利害関係者はそれぞれ違った観点で企業の有事状況を認識し、それぞれのアクションを行います。 当該利害関係者ごとに級密な...

01152_有事対応フェーズ>法務活動・フェーズ4>不祥事等対応法務(フェーズ4B)>(6)調査活動(不祥事関連情報の収集と分析)その2

2 不祥事関連情報の管理と制御及び保秘の徹底 有事対応下においては、情報はトップに全てを集中させ、トップで処理し、決定を発信するということを徹底して行わなければなりません。 特に広報と法務はそれぞれ独自の価値観を有している場合が多いのが実情です。 広報は企業イメージや報道機関との良好な関係維持を考えるあまり、必要以上の...

01151_有事対応フェーズ>法務活動・フェーズ4>不祥事等対応法務(フェーズ4B)>(6)調査活動(不祥事関連情報の収集と分析)その1

1 情報の収集・分析の重要性 予期せざる形で法令違反の不祥事が発生した場合、最も大切なのは、良質で正確な情報です。 ここに、「良質な情報」とは、「1 正確な情報の収集 → 2 収集した情報の客観的な分析 → 3 現実的な展開の予測」というプロセスによる付加価値が付された有事対応上有用な情報、という意味であり、単に正確と...