株式会社の取締役が会社に迷惑をかけた場合、本来、会社がチョンボした取締役に損害賠償をすべきなのでしょうが(この場合監査役が会社の代表として訴訟提起します)、現実問題として、会社を牛耳る取締役に対して、役員仲間である監査役が責任追求するなんてことは期待できるはずもありません。
その結果、取締役としては、絶大な権限を利用して会社の財産を食いちらかすことが可能となってしまいます。
そこで、会社法は、あまりにもひどい場合に、株主が会社に代わって、取締役に対して損害賠償請求することを認めています。
とはいえ、株主の代表訴訟を無制限に認めると濫用される弊害の多く出てきます。
すなわち、暴力団やライバル企業が株式を取得して代表訴訟を濫発すれば、対象企業を事実上機能停止に追い込むことが可能となってしまいます。
そういうわけで、会社法は、取締役の専横を防止する制度として株主代表訴訟を設けつつ、濫用されないような仕組も同時に設けています。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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