ある株式公開企業が反社会的勢力により
「株付け」
され、これをきっかけとして、総会対策名目で接点を作ってしまい、その後は、
「指示に従わないと生命に関わる脅威」
をちらつかせ、言うなりになるよう、恐喝が始まったケースを考えます。
そもそも、企業が株式を公開している以上、自社株式が誰の手に渡ろうが、会社にとっては無関係な話です。
教師も警察官もヤクザも、みんな株を買える。
これが株式公開というものですから。
もっとも、金融商品取引法に違反する違法な買い占めなど買い集め段階での違法行為があったり、株主総会でルールを無視した進行妨害をするなど株主権行使段階での違法行為があれば、それは別途法律違反になります。
好ましくない方が株主になったからといって慌てる必要などそもそもなく、平常心で日々の経営にあたり、株主からの必要なご要望は株主総会で聞けばいいだけです。
株主から身の危険が迫るほど脅されたのであれば、それは経営問題ではなく刑事事件です。
刑事事件の対処法は、取締役会で何時間話し合っても答えなど出ませんので、早急に警察に行くべきです。
警察に行くのも怖ければ、極論とはなりますが、取締役を辞めてしまえばいいだけです。
取締役はいつでも辞任できますので、特段の手続が必要なわけではありません。
辞任届を提出してしまえば、それで関係は切れますし、
「カネの切れ目や役職の切れ目は縁の切れ目」
とばかり、反社会的勢力もそれ以上付き合っても何の得にもならず、自然と離れていってくれることも期待できます。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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