訴訟戦略を立てるには、現実的なゴール設定が必要です。
どんなに緻密な戦略もゴールの設定を間違えてしまうと、あり得ないゴールを追い求めて無駄で非効率なことを永遠に続ける結果に終わります。
例えば、退職した従業員が独立して競業行為を始めた場合などでは、
「ノウハウや顧客リストの使用や従業員の引抜き問題について、従業員側が確立したノウハウ・顧客リストの使用や当該従業員が連れてきた従業員の引抜きは認めるが、それ以外の使用・引抜きについて止めさせるか、一定の金銭支払を条件として認める」
というのがもっとも現実的なゴールとなると思われます。
無論、従業員が非を認めて、自主廃業したり、こちらが要求した多額の賠償金を支払ってくれる可能性は否定しませんし、そうなれば儲けものです。
しかし、これはあくまでうまくいった場合の話。
相手も馬鹿ではないでしょうし、当然弁護士を選任してくると思いますので、楽観的な見通しは禁物です。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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