00541_裁判外交渉(示談交渉)をマネジする上での注意点

弁護士を付けて、内容証明郵便による通知書を相手方に送付し、相手方も弁護士を付けてこれに応答し、裁判外交渉が開始される場合があります。

裁判外交渉においては、注意点があります。

裁判外交渉と裁判の違いは、
1 相手方の対応による解決が長引く可能性があること
2 不調の場合時間が無駄になること
です。

すなわち、裁判になると、だいたい1カ月単位で期日(裁判所に当事者が出頭し、判決に向けた争点の整理や和解を行う手続を行う日)が入るので、あまりズルズル引き延ばしすると、その間に、しびれを切らした裁判所が争点をどんどん整理して、証人尋問までたたみかけ、判決に至る、という形で、公権力によって強権的に(といっても、かなり時間的冗長性はありますが)、不利な状況に押しやられ、最後には不利な和解を事実上強制されたり、不利な判決を食らう、形で強制終了してしまいます。

ところが、裁判外交渉ですと、引き延ばしにペナルティはありませんし、相手方にやる気がなければどんどん解決が長引きます。

また、裁判外交渉は、和解という一種の契約の締結が交渉のゴールになります。

当然ながら、和解は契約ですので、こちらがどんなにフェアな提案をしても相手方が承諾しない限り解決は不可能です。

最後の最後で、ちゃぶ台ひっくり返されてもかけた時間が戻ってきませんし、訴訟提起で最初からやり直しになります。

以上のとおり、裁判外交渉が有用なのは早期の解決の見通しが立つ場合ですので、不調の見極めを行い、解決が困難であればすぐに訴訟に移行する必要があります。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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