00554_取締役に選任されたものの、トップの独裁と暴走が激しく、「これ以上、関わったら、賠償責任を負いかねない」と判断した場合の究極のリスク回避手段

「三六計逃げるに如かず」といいますが、無謀な事業計画が浮上した場合、あれやこれや社内にとどまってがんばるより、辞めてしまうという方法があります。 「辞めてしまうと、せっかくもらった捨て縁にありつけない」という思いもあるかもしれませんが、ここはリスクとメリットのバランスの問題です。 さらにいえば、取締役は辞任しておいて、...

00553_「トラブルなき成功」を掴む経営者になるための予防法務センスの磨き方

予防法務のセンスというものを身につけるのはなかなか難しいです。 そもそも、予防法務のセンスは、多くの法律や契約法理を実体と手続の両面についてくまなく理論的把握するとともに、また大小の法的トラブルを臨床経験し、さらに他人の失敗を自分に置き換える想像力を駆使するなどして、はじめて築けるものであり、極めて特異な「第二の天性」...

00552_責任が大きく、リスクが高い社外取締役としてではなく、会社の経営に関与するためのエンゲージ設計方法

責任が大きく、リスクが高い社外取締役としてではなく、会社の経営に関与するためのエンゲージ方法としては、コンサルティングや商品企画等の委託契約を発注してもらい、助言等を行いその対価を得るという形が考えられます。 「社外役員」というポスト就任の誘いは魅力的ですが、うっかり乗ってしまうと、大きなリスクと責任が生じます。 社外...

00551_取締役会で危険な決議がされそうになった場合に、不安を感じた取締役が取るべき自己防衛策

会社の重要な意思決定をする際は取締役会決議で決めるものとされていますが、反対であればその旨きっちりと議事録に残しておくことが重要です。 過大な投資をしたり、アホなプロジェクトを立ち上げたり、骨董を買ったり、愛人の会社に大口発注したり、なんて話が出たときに、「そんなのイケナイよ」と反対したものの、「いいじゃん」「大丈夫だ...

00550_取締役責任限定契約では填補されないリスク

取締役が迷惑をかけるのは会社だけではありません。 取締役が放漫経営したことにより、取引先や顧客や株主等の外部の第三者に損害を与えることだってあります。 そういう場合、取締役は当該外部の第三者からも損害賠償請求を受けることになります。  ちなみに、報酬一定年数分を上限として制限することができるということをご存じ...

00549_会社で一番エライのは、代表取締役社長か?

「会社で一番エライのは誰ですか?」というと、たいてい「社長」とか「会長」とかの答えが返ってきますが、会社で一番エライのは代表取締役や取締役ではありません。 会社で一番エライのは会社の株式を持つ所有者たる株主であり、株主の意思決定機関である株主総会です。 代表取締役とか取締役ってエラそうに見えますが、株主総会で選ばれなけ...

00548_「会長」「社長」「副社長」「専務」「常務」といった会社内での肩書と、法律上の代表権との違い

会社の代表取締役って独裁者のイメージがありますが、実は、取締役の選挙によって選ばれているに過ぎません。 ですから、大昔、某有名デパート会社であったように(最近では、某大手通信機器メーカーや、某超大手自動車会社でもあります)、ワンマン社長がある日突然解任されることだってあります。 なお、最近では、執行役制度や委員会制度と...

00547_会社の運営秩序と国家運営秩序との相似性

会社の運営機関は、よく国の政治機構にたとえられます。 日本の国の政治システムはなかなかわかりにくいですが、法律的にとらえると実に単純です。 すなわち、日本の政治は、 国民が自分の意志を代弁してくれる代表(国会議員)を選び その選んだ代表があつまる会議体(国会)が多数決で国の代表(内閣総理大臣)や国の運営の重要なルール(...

00546_会社の種別と、「有限責任」「無限責任」の意味・本質

会社の種類ですが、会社には4つの種類があります。 合名会社、合資会社、合同会社、そして株式会社です。 みなさん、これらの違いってわかります? これらの違いを説明するには「有限責任」「無限責任」というものを理解する必要があります。 会社が倒産した場合に、出資者が出資した金額を損してしまうのは当然として、それ以上に、債権者...

00545_「会社を法令に基づき取り締まるべき専門家」たる取締役のほとんどが、会社法を全く理解できていない実情と対処・克服方法

大抵のビジネスマンや経営者の方はおそろしく会社法に無知です。 弁護士になるには司法試験にパスする必要がありますし、公認会計士になるにも公認会計士試験にパスする必要があります。 ところが、会社の取締役や株主になるには、何の試験も必要ありません。 昔、「おばけにゃ、学校も、試験も、何にもない」という唄がありましたが、「取締...