合弁事業(“Joint Venture”略して「ジョイベン」などと呼ばれる)とは、2社以上の会社が共同で経営資源を持ち寄り、1つの事業を立ち上げることをいいます。
企業が合弁事業を行うのにはいくつか理由がありますが、その大きな理由の1つとしては、リスクの分散が挙げられます。
特に、規模が大きく新しい事業を立ち上げようとする場合、企業にはさまざまなリスクを負担しなければなりません。
自分の不得手な事業分野や土地勘のない分野で勝負する場合や、進出事業分野に適合した経営資源が自分の手元になく新たに調達しなければならない場合、単独で新しい事業を立ち上げるには、大きなリスクが生じます。
そこで、複数の企業がお互いの強みを持ち寄り、あるいは弱点を補う形で事業を立ち上げ、リスクを分散すれば、事業の成功の確度も格段に上がることになる、という算段の下に、共同事業をやろうということになるわけです。
これは、犯罪を行う場合も同じ理屈があてはまります。
一般的に、共犯におよぶ場合、2人以上の者が、共同して犯罪を実行する意思を形成し、犯罪実現に向けて共同するという
「相互利用補充関係」
が形成されることで、単独犯の場合より犯罪成功の確率が高まるといわれています。
例として適切とはいえませんが、犯罪も事業も、リスクのある行為を行うという点では同じです。
合理的思考の帰結として
「徒党を組んで、役割分担し、リスク分散し、全体成功率を高める」
という同様の選択を行うこともうなずけます。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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