00793_有事(存立危機事態)対処プロジェクトを遂行する上でのマインド・セット(心構え)とフィロソフィー(対処哲学)2:学校で教わったこと、親が教えてくれた常識や幻想はすべて忘れ去る

学校で教わったことと、社会の現実は、まったく違うものです。

特に、有事(存立危機事態)という非常識な状況に対向するための非常識な対処行動設計は、常識はまったく通用しません。

学校では、
「努力は尊い。結果がすべてではない。努力はいつか報われる。失敗をおそれるな。次がある」
と教わります。

ところが、有事(存立危機事態)という非常識な状況 においては、努力したところで、努力の方向性が間違っていたり、狂っていれば、状況はどんどん悪化します。

しかも、誰も指摘してくれませんし、修正もしてくれません。

不祥事等のしくじりをしたわけですから、対処を誤ったり、ミスを重ねると、世間は、バッシングをしたり、笑い者にしたり、足を引っ張ったりします。

また、関係先は、遠巻きにみたり、離れたり、債権回収に動きます。

学校の教えと違い、社会においては、
「無駄な努力、無意味なガンバリ」
というのは山程あります。

ビジネスの世界では、
「千里の道はジェット機で(制作/著作:井藤公量弁護士)」
行くものであり、目的から逆算した最小限の犠牲で十分です。

方向性を誤って空回りしていても、無意味な努力は誰も評価しませんし、怒られるだけです。

そのためには、ゴールを設定し、ゴールから逆算して、段取りを決め、効率的な手段を構築し遂行するべきですが、有事(存立危機事態)という非常識な状況においては、正解やゴールがまったく不明で、描けないので、呆然とするほかない、というところに特徴があります。

結局、正解ではなく、最善解、次善の結果、現実解を設定し、そのような
「あまり歓迎できない、喜べない、不愉快な未来予想図」
を全員が目指すゴールとして設定することを合意し決定しなければなりません。

「頑張ったらなんとかなる」
「努力によって未来は切り開ける」
「一生懸命やったら必ず危機は脱することができる」
「空けない夜はない」
といった、学校教育で習うようなファンタジーをとっとと捨て去り、
「がんばって、がんばって、がんばっても、この程度」
「無事にもとにもどるのは無理。せいぜい、大事を小事にするくらい。ただ、それすらも信じられないくらいの努力が必要」
「神には見捨てられた。そこは変わらない。せめて、悪魔に骨までしゃぶり尽くされないように、なんとか被害を食い止めよう」
といった、現実的な認識と考えを持つべきです。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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