00793_有事(存立危機事態)対処プロジェクトを遂行する上でのマインド・セット(心構え)とフィロソフィー(対処哲学)2:学校で教わったこと、親が教えてくれた常識や幻想はすべて忘れ去る

学校で教わったことと、社会の現実は、まったく違うものです。 特に、有事(存立危機事態)という非常識な状況に対向するための非常識な対処行動設計は、常識はまったく通用しません。 学校では、「努力は尊い。結果がすべてではない。努力はいつか報われる。失敗をおそれるな。次がある」と教わります。 ところが、有事(存立危機事態)とい...

00792_有事(存立危機事態)対処プロジェクトを遂行する上でのマインド・セット(心構え)とフィロソフィー(対処哲学)1:正解がない、正解があるのかないのかすら不明の事態

有事(存立危機事態)対処というプロジェクトは、 社内の誰も経験したことのない、アブノーマルな事態に対処するものであり、滅多に起こらないし、故に誰も正解がわからない、というか、そもそも正解があるかすらわからないプロジェクトです。 もちろん、常識や良識や陳腐な考え方では太刀打ちできません。 といいますか、「常識」自体「物心...

00791_有事(存立危機事態)対処の際のタスクアイテム

1 有事対応哲学の再確認 2 有事対応チームの組成(予算と専門家と意思決定及び実施体制の手配) 3 有事対応の戦略と段取りのデザイン(ゲームチェンジや敗戦を見越したダメージ・コントロールを含む) 4 裁判回避戦略・和解戦略 5 メディア対策・ネット対策・取引所対策その他有事外交戦略 著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:...

00790_紛争・有事状況のゲーム環境たる裁判システムを理解する21:裁判所は「気まぐれな神様」

官舎にひっそりと住み、飲みに行くときも周囲に気を使い、ストレス解消で気ままにハジケルことすら自粛する。 そんなおカタい公務員かと思えば、憲法上「自分の良心にさえしたがっていれば、仕事の上で何をやらかしてもよろしい」と絶対的覇権的権力を完全な自由裁量で行使する自由が保障された独裁者で、たまに社会常識に反する無茶苦茶なこと...

00789_紛争・有事状況のゲーム環境たる裁判システムを理解する20:裁判官のココロを鷲掴みにするための推奨行動(7)「裁判官にとっては、どうでもいい、ツマンナイ事件の情報」をなるべく負担なく読んでいただくための具体的工夫(ⅳ)相手のリアクションを見越した言い方で主張する

最後に、事実を述べる際には、「具体的な事実を、客観性がある形で、あるいは相手が争いようのない形で呈示」していくと、裁判官としては非常に事案を認識しやすい、ということになります。 明らかに相手が否定するであろうような事実を、ことさらに挑発するような形で主張することは、紛糾の原因になるだけで、時間とエネルギーの無駄ですし、...

00788_紛争・有事状況のゲーム環境たる裁判システムを理解する19:裁判官のココロを鷲掴みにするための推奨行動(6)「裁判官にとっては、どうでもいい、ツマンナイ事件の情報」をなるべく負担なく読んでいただくための具体的工夫(ⅲ)裁判所の業界内部ルールである「要件事実」を意識する

裁判官の頭の中では、すべての事実を同じ意味において認識することはしません。 裁判官は、常に、「紛争解決を導く上で必須あるいは本質的な事実」と「そうでない事実(=決定的とはいえない事実)」についても「重要なもの(事件を解決する上で考慮すべき事実)」と「不要なもの(全くどうでもいい事実)」という形で事実を階層化して認識して...

00787_紛争・有事状況のゲーム環境たる裁判システムを理解する18:裁判官のココロを鷲掴みにするための推奨行動(5)「裁判官にとっては、どうでもいい、ツマンナイ事件の情報」をなるべく負担なく読んでいただくための具体的工夫(ⅱ)修飾語やレトリックは「法曹禁止用語」

素人の方からは意外に思われるのですが、弁護士は事実を語るのであって、華麗な言葉で相手を非難するのが活動の本質というわけではありません。 裁判所としても、事実に基づいてどちらかの当事者を勝たせるのであって、派手な言葉や、声の大きさ、見た目や雰囲気や印象によって勝ち負けを決めているわけではありません。 その意味では、書面に...

00786_紛争・有事状況のゲーム環境たる裁判システムを理解する17:裁判官のココロを鷲掴みにするための推奨行動(4)「裁判官にとっては、どうでもいい、ツマンナイ事件の情報」をなるべく負担なく読んでいただくための具体的工夫(ⅰ)10頁の原則

長らく訴訟弁護士の間で語り継がれている書面作成原則として著名なものに、「10頁の原則」というものが存在します。 裁判所への提出書面というと難解な長文というイメージがあるかもしれませんが、実際には「裁判官をウンザリさせず、言い分を適切に理解してもらうための、適度な分量」というのが存在します。 この「適度な文書ボリューム」...

00785_紛争・有事状況のゲーム環境たる裁判システムを理解する16:裁判官のココロを鷲掴みにするための推奨行動(3)「裁判官にとっては、どうでもいい、ツマンナイ事件の情報」をなるべく負担なく読んでいただく工夫をすることの意義・重要性

訴訟が始まりますと、訴状、答弁書、準備書面という形で訴訟の進行に応じて様々な書類を裁判所に提出していくことになります。 法律家は、小難しいことを書いた大量の文書に常に接しているため、速読に長けた人が多いですし、裁判官も例外ではありません。 とはいえ、速読に長けたスーパーマンといえども、仕事として義務感でやるからできるわ...

00784_紛争・有事状況のゲーム環境たる裁判システムを理解する15:裁判官のココロを鷲掴みにするための推奨行動(2)裁判官に早めに事件の全体像を見せるように努め、仕事が効率的に処理できるよう協力する

裁判官には早めに事件の全体像をみせてあげることが重要です。 裁判官には時間がありません。 弁護士が忙しいといっても、長時間かけて晩飯を食ったり、クラブで遊んだり、ゴルフに行ったりする程度には時間的余裕があるものですが、裁判官の忙しさは殺人的です。 実際よく自殺者が出ます。 ちなみに、「自殺」という毒々しい死亡原因で逝去...