弁護士に法律相談に行くのは、いつ、どのタイミングがいいのでしょう。
「あまりに早く行っても、何をどう相談していいのかわからないし、『何でこんなに早くきたの』と言われてしまいそうだし。用もないのに相談に行き、そのたびにお金を払うようなことは避けたいし。むしろ、事件になって問題がはっきりしてから行くほうが、説明もしやすいし、いいんじゃないだろうか」
という声をよく聞きます。
確かに、法律相談に費用は発生します。
個人は5000円/30分が相場といわれ、法人の場合は1万~2万5000円/30分と、いろいろです。
初回は無料というところもありますが、相談に行くたびに費用はかかります。
ですから、
「『ここぞ』というときに相談に行きたい」
となるのでしょうが、法律相談に行くのは、早ければ早い方がいい、です。
早ければ早いほど解決に向かう選択肢は多く、時間がたてばたつほど選択肢はぐんと減り、大きな痛手を負うことが多くなるからです。
将棋でたとえるなら、初手から数手のうちは、駒を動かす選択肢は多く、終盤戦にむかえばむかうほど選択肢が少なくなるのと同じです。
多くの方は問題が生じても(根拠なく大丈夫と)楽観的になったりして、相談時期を遅らせてしまいがちで、
・契約書をよく読まずにサインしてしまった
・信用してお金や大事な商品を預け、時間が経ち、相手はどこかへ行ってしまい連絡がとれない
このような状態になってしまってから相談に来る方が多く、相談するときには、すでにゲームオーバーとなっています。
要するに、取り返しがつかない状態になってから、相談に来る方が圧倒的に多いのです。
そして、それは、解決へ向かうための時間や費用・手間がかかることを意味します。
「何だかひっかかる」
「何だかモヤモヤする」
「不安に感じる」
「問題があるように思う」
「リスクに思う」
このように感じたときこそが、相談に行くタイミングです。
不安に感じるということは、(自分にとっては、解決できない)知らない問題であることを意味し、解決する方法もわからない、ということなのですから。
たまに、
「まずは、自分でどうにかしてみよう」
と、ネットで検索し自力で解決しようとがんばる方がいますが、これは傷を広げます。
世の中、大事なことほど、本にもウェブサイトにも載っていません。
載ってはいるけど誤解を招くような書き方であったり、自分のケースにあてはまらないこともあります。
経営者の方なら、税理士や会計士に相談することはありますね。
「経営者たるもの、自分で考え、自分で実行する」
といって、計算や書き方を間違えて、粉飾決算してしまったりすると、大変ですから。
法律問題の解決を弁護士に頼むのも、同じです。
傷が広がるまえに、大きな痛手を負う前に、不安に思ったら、まずは、弁護士に相談しましょう。
早ければ早いほど、ビジネス成功の確率は高まるでしょう。
相談費用は、保険みたいなもの、と、とらえてはいかがでしょうか。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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