01077_法務組織の体制構築>企業法務活動を担うハードウェア>(6)顧間弁護士(契約法律事務所)>法律事務所の種類

組織形態の面で、個人事業主の場合と弁護士法人の場合とに分けられます。

弁護士法人との呼称を用いない法律事務所は、規模の大小にかかわらず、その実態は、個人事業主たる弁護士個人が経営する屋号(あるいは複数の個人事業主たる弁護士の寄り合い所帯の屋号)です。

企業が契約する主体は弁護士個人であり、仮に当該契約当事者たる弁護士が死亡等すれば、委任契約は当然に終了します(民法653条1号)。

他方、弁護士法人との呼称を用いる法律事務所は、弁護士法に基づき設立された法人であり、契約主体は主に法人としての
「弁護士法人○○法律事務所」
となります。

この場合、仮に担当弁護士が死亡等をしても、法人は存続しますので、委任契約は当然には終了しません。

次に、法律事務所のサイズに応じて、一人事務所、中小規模事務所、巨大事務所に分類されます。

一人事務所は、文字通り、弁護士1名とサポートスタッフ1ないし2名程度により運営される事務所であり、わが国では非常に多い形態です。

取扱分野の傾向としては、相対的に企業法務やビジネス法務よりも個人の民刑事。家事事件が多く、また国選刑事弁護事件や破産管財事件等を恒常的に引き受けているケースが多いようです。

中小規模事務所は、複数の弁護士とサポートスタッフにより運営される事務所であり、都市部の事務所にみられる形態です。

この規模の事務所は、経営者が複数の弁護士を用いて組織的に経営しているところもあれば、弁護士経費を共同して負担して運営コストを減らす目的で、独立した複数の経営者弁護士が運営しているところもあります。

後者の場合、実質的には一人事務所の寄り合い所帯に近く、前者に比べて組織的な対応がやや低調とみられます。

そして、法律事務所の中には所属弁護士数が100人を超える巨人事務所もあります。

事務所内部に複数の専門部門があり、それぞれの部門が企業のセクションのように機能しています。

運営管理コード:CLBP45TO47

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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