01256_ファイナンス法務>経営資源「カネ」の調達・活用に関する法務>特殊な課題・新たな課題>不公正ファイナンス

2009年頃より、増資によって得られた資金が企業の運営のために使用されずに社外に流出してしまう
「不公正ファイナンス」
が横行しています。

2009年6月以降、証券取引等監視委員会は、3件の不公正ファイナンスを告発するなど、取り締まりの強化を図るとともに、未然に防止するため、内閣府令を改正し、有価証券届出書の開示内容を拡充したり、各証券取引所との連携により監視を強めるなどしています。

それにもかかわらず、不公正ファイナンスの手回は年々巧妙化しており、最近では、現物出資を利用した不公正ファイナンスもみられます。

現物出資とは、金銭の代わりに不動産や工場用機械等といった物の提供を受け、対価として株式を発行する手続をいいます。

不動産の評価額を実際より高く設定すれば、より多くの株式数を取得できますし、株式を市場で売却すれば、当該現物出資による株式の割当先に不当な利益を取得させることができます。

このように、不公正ファイナンスの手口は年々変化しつつありますが、
「特定の者にだけ株式を不当に安価に入手させ、その後、市場等で売却させることで不当な利益を与える」
という基本は変わらず、証券取引等監視委員は警戒を強めているところです。

【図表】(C)畑中鐵丸、(一社)日本みらい基金 /出典:企業法務バイブル[第2版]
著者: 弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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