01272_知的財産法務>知的財産及び情報マネジメント法務。経営資源「チエ」の調達・活用に関する個別法務課題>知的財産法務(フェーズ2)>経営政策・法務戦略構築フェーズ>具体的戦略例>特許法104条の3

特許権や商標権等については、その権利を無効化する行政上の手続が存在します。

これは、権利者からの権利行使に対応する手段として認められているわけですが、例えば特許権については、特許庁の審査を巧妙にくぐり抜け、広い権利範囲で権利化を遂げ、権利侵害が疑われる者に対して金銭を要求する者(パテントトロール)に対しては、有効な手段といえるでしょう。

特許法104条の3は特許侵害訴訟における抗弁の1つとなるものであり、当該特許権に無効理由があることを主張するものです。

従来、特許権の存否自体は専門技術的な判断を伴うという考えから、裁判所ではなく、特許庁の専権であるとの考えが多数を占めていました。

しかしながら、明白に無効理由があるような場合にまで、裁判所が特許庁に遠慮をして権利行使を常に認めるというのでは公平を欠くこととなります。

そこで、このような抗弁が認められるようになり、実際に、当該無効の抗弁が成立することも少なくありません。

【図表】(C)畑中鐵丸、(一社)日本みらい基金 /出典:企業法務バイブル[第2版]
著者: 弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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