コンシューマーセールス、すなわち企業の消費者に向けた営業・販売活動に関しては、消費者を保護すべく、様々な法律が強い規制を及ぼしています。
1 消費者基本法
消費者保護法制の一般法であり、消費者保護政策の推進体制の整備、国民生活センターの役割、企業の基本的責務等について定めています。
2 消費者契約法
企業と消費者との間に情報量・交渉力の格差があることを前提に、契約自由の原則や自己責任原則を貫いて消費者に過酷な契約責任を負わせるのは適当でないとの考えに基づき、一定の場合に、消費者が契約を取り消すことができるほか、消費者に不利な契約条項の無効を主張できるものと定めています。

著者: 弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
なお、消費者契約法は、強引なセールスを行う一部の業者だけに適用されるものではなく、以下のとおり、大学の前納授業料の不返還措置にも適用されており、業種・業態を問わず広く適用されるものであり、コンシューマーセールス(消費者向営業)を展開するあらゆる企業のあらゆる営業・販売活動において規制への対応が求められます。


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3 割賦販売法
消費者が企業から商品やサービスを買う際に、購入から
「2ヶ月以上の期間にわたって3回以上の分割払いを行う場合」
及び
「2ヶ月以上後の1回払い若しくは2回払いを行う場合(自社割賦(割賦販売)及びローン提携販売については除く)」
に適用されます。
割賦販売法の規制の内容は、原則として全ての商品・サービス・権利の割賦販売について、企業に契約情報の事前開示(開示書面交付)と契約書面の交付(契約書面交付)を義務づけるとともに、消費者にクーリングオフ権(無条件・無制限に契約の撤回あるいは解除をすることができる権利)が認められます。

著者: 弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
「割賦販売法の規制対象から除外される商品・サービス・権利」
とは、以下のとおり、限定されたものとなっており、ほぼ全ての企業のコンシューマーセールス形態が捕捉されるといっても過言ではありません。

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4 特定商取引法(特定商取引に関する法律)
企業のコンシューマーセールス(消費者向営業)について、規制しています。

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規制の態様としては、前述の割賦販売法と同じく、政令で定められた商品・サービス・権利の特定商取引について、企業に契約情報の事前開示(開示書面交付)と契約書面の交付(契約書面交付)を義務づけるとともに、消費者にクーリングオフ権が認められています。
運営管理コード:CLBP434TO437
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