01438_ネットトラブル対策法務>特殊な課題・新たな課題>証券取引等監視委員会等対応

例えば、株式公開企業の主力商品やサービスに関し、
「A社の○○化粧品は、人体に悪影響がある成分が含まれており、アメリカでは販売停止になったらしい」
「B社のレストランチェーンのハンバーグは、実は○○の肉を使っている。あんな気持ち悪いもの食えるか」
といった書込みや、企業価値の変化をともなう企業再編や整理などに関し、
「C社は、大口取引先との契約が解除され、まもなく倒産します」
「D社はE社に吸収されるようだ。それによってD社のサービスは終了するだろう」
といったもの、また、行政作用などに関し、
「今、F社に税務調査が入っているらしいが、相当額の申告漏れを指摘されるだろう」
「ついに、G社の違法営業を理由に、業務停止命令がなされるらしい。G社もこれまでだな」
といった書込みがなされた場合、真実か否かにかかわらず、当該書込は株価に重大な影響を与える可能性があります。

そして、これらの書込みが、株価の操作を目的として行われた場合などには、金融商品取引法違反の問題が生じます。

このような場合、企業としては、適切的確なIRやプレスリリースを行う等して、株価の安定を図ることになりますが、当該事実を証券取引等監視委員会に報告することも重要です。

証券取引等監視委員会では、活動の一環として、市場の公正性・透明性の確保や投資者保護の上で問題があると疑われる情報を随時受け付けており、上記のような書込みがなされた前後に自社の株価に通常想定しえない動きがみられた場合には、速やかに下記相談窓口等に報告・相談するとともに、この点もIRにおいて開示し、企業として
「事態を放置する意思はなく、違反者は相応の処罰を受けてもらう」
という強い意思と姿勢を示すべきです。

このような確固たる企業の姿勢が、不心得者を萎縮させ、企業に対する攻撃を躊躇させることにつながっていくものと考えられます。

【図表】(C)畑中鐵丸、(一社)日本みらい基金 /出典:企業法務バイブル[第2版]
著者: 弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

運営管理コード:CLBP616TO617

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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