国際取引において、準拠法を相手国の法とすると、大きな法的リスクを抱えたり、紛争解決時の不確実性が増す、という不利を招来します。
したがって、国際取引交渉においては、使用言語や、準拠法あるいは管轄条項ないし仲裁地の選択において、自国の法や領土内に引っ張り込む方向で主張をぶつけていくことが重要です。
輸出ビジネスにおける取引設計も、国際法務における様々なリスクを回避するための知恵を発揮すべきです。
例えば、引渡場所を相手国にすると、引渡すまでの様々な負担やリスクをこちらで負担しなければなりません。
コモディティー等では不可能かもしれませんが、
「世界で唯一作れるのは当方だけで、当方が交渉におけるバーゲニングパワーを保持している」
というような交渉環境の場合、
「当方国内の工場で出来上がったものを、工場の敷地内で顧客に引き渡して、決済も国内で行い、契約も日本語で日本法に基づき、問題が起こった場合についても、管轄も日本の裁判所とする」
という形で契約すれば、たとえ相手が外国の企業であろうとも、その実質は国内における取引と変わりなく、リスクが大幅に低減されることになります。
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著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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