01459_欧米国際法務>欧米国際法務(フェーズ3)>予防対策フェーズ>コンプライアンス法務(現地法人・現地従業員の管理)

日本法人の現地事務所等は、物理的に日本から離れているばかりか、言語や風習が異なることも原因となって日本本社の監視の目が届きにくく、不祥事が発生してもそれを萌芽の段階で摘み取ることが難しい状況にあります。

大和銀行ニューヨーク支店事件からも明らかなように、不祥事に対する早期発見、早期対応が遅れた場合には、会社に重大な損害が発生するおそれがあります。

また、同事件判決は、外国法令遵守についても、
「法令遵守は会社経営の基本である。商法266条1項5号(現会社法423条1項)は、取締役に対し、わが国の法令に遵うことを求めているだけでなく、外国に支店、駐在事務所等の拠点を設けるなどして、事業を海外に展開するに当たっては、その国の法令に遵うこともまた求めている」
「取締役に与えられた裁量も法令に違反しない限りにおいてのものであって、取締役に対し、外国法令を含む法令に遵うか否かの裁量が与えられているものではない」
と述べているところです。

海外に進出する企業においては、判例法理上企業に求められる水準の内部統制、すなわち
「企業内の従業者が常に法令(外国法令を含む)違反を犯す動機を有する、という性悪説を前提に、法令違反の事態を有効に防ぎうる、科学的で合理的な、企業組織内部を統制し管理する仕組み」
ともいうべき体制の構築と運用を行う必要があります。

運営管理コード:CLBP646TO647

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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