1 中国における知的財産権侵害状況
中国では、
「コピー天国」
といわれるほど海賊版が横行し、著作権侵害や商標権侵害等が多発しています。
2001年の世界貿易機関(WTO)加盟・知的財産権に関するTRIPS協定が適用されたことに伴い、中国でも知的財産権保護に関する国内法の整備が進められましたが、状況はなかなか改善されません。
これは、問題の背景に、
・一般市民には正規品の値段は高すぎるので、安い模造品が好まれる
・「物を盗るのは悪いが、作り方を真似することは盗みとは違い、許されることだ」という考え方が中国社会に根ざしているから
等といわれています。
被害国は、日本、アメリカ、 ドイツ、フランス、イタリアなどの多くの国に及んでいます。
このような現状から、米国通商代表部(USTR)は、知的財産権侵害に関して、中国をスペシャル301条(米国通商法における知的財産権侵害国に対する対外制裁規定)の優先監視国に指定しています。
2 日本の著名商標の無断登録
日本企業が被害を受けるケースも多く、従前から、著名ブランドのコピー商品やドラマやアニメの海賊版DVDの製造販売といった被害を受けています。
最近では、以上のような単純な模倣被害から、
「日本の著名標章が中国内で無断商標登録される」
といった知的財産権法を巧妙に利用した事件も発生しています。
この対応策に関しては、独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)北京事務所知的財産権部が
「中国商標権冒認出願対策マニュアル」
を作成しており、このようなものを参照しながら対策を取っていくことになります。
運営管理コード:CLBP698TO699
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
【本記事をご覧になり、著者・所属法人にご興味をお持ちいただいた方へのメッセージ】
✓当サイトをご訪問いただいた企業関係者の皆様へ:
✓当サイトをご訪問いただいたメディア関係者の皆様へ:
✓当サイトをご訪問いただいた同業の弁護士の先生方へ:
企業法務大百科® 開設・運営:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所