「企業にとって最も重要な経営資源は何か?」
という経営に関する古典的な問題があります。
これに対する答えは、よくいわれるように、
「ヒト(労働力)」
「モノ(物資)」
「カネ(資金)」
などといわれます。
情報化社会が進んだ現代では、これに加えて
「チエ(情報、ノウハウ、知的財産権、ブランド)」
が重要などといわれます。
しかしながら、経営者の中には、
「時間こそが、もっとも重要な経営資源である」
と答える方も多くいらっしゃいます。
確かにそのとおりです。
スピード経営が求められる現代において、時間は最も重要です。
ところで、時間とカネは、相互補完の関係に立ちます。
時間をかけるとカネを節約できますし、時間を節約しようとすると、多額の出費を要求されます。
東京から大阪に行くのにお金がない時は、青春18キップで丸1日かけて行くしかありませんが、5倍ほどお金をかければ、新幹線に乗って2時間半で大阪に行くことができます。
飛行機も早めに予約すればかなりの割引を受けられますが、その日に突然搭乗するとなるとバカ高い正規運賃を支払う羽目になります。
現代の企業にとって時間やスピードは生死を分けるほど重要であり、どの企業も僅かな時間を節約するために、信じられないぐらい多額の投資を行います。
企業がなぜ活発にM&Aを行うか。
「企業は、M&Aによって、『企業を買っている』のではなく、『時間という最も重要な経営資源を買っているのだ』」
といわれます。
すなわち、
「企業が規模を大きくしたり、新規事業を立ち上げたりする際、試行錯誤を行いつつ自前で行うよりも、すでに出来上がっているものを企業が買い上げた方が、時間が節約できる」
というわけです。
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著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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