「リアル」な企業攻撃の代表例である街宣活動
と比較して、
ネットメディアが企業攻撃に用いられた場合はどうか、
その特徴を観察してみましょう。
まず、ネットメディアには、その特質上、時間的・地理的範囲に制限がなく、世界中の人間が24時間閲覧可能です。
さらには、スマホ、タブレット等の急速な普及により、スマホ、タブレットでネットから情報を入手するのが常識になりつつあります。
このような、
「悪評を、スピーディーかつ効果的かつ効率的に広げる、という意味で最適」
ともいえるネット空間で、一度、特定の企業の悪評や信用を毀損する情報が発生してしまうと、企業が受ける影響は、街宣車による企業攻撃とは全く比較にならないほど、甚大で回復困難な損害が発生します。
街宣活動を通じた誹謗中傷は、その表現や態様の激烈さから、一見すると厄介であると感得されますが、もともと
「高コスト・低パフォーマンス」
ということもあり、そのような攻撃の蓋然性が極めて低く、また、仮に実施されたとしても
「高コスト・低パフォーマンス」ゆえの持続可能性の欠如性
という点から時間的、空間的に極めて限定されたもので、企業としても対応が容易です。
他方、ネット上の誹謗は、時間的には24時間365日、空間的には世界中、費用的には低コストで
「炎上(ネットスラングでネット上に悪評価が立つことを「炎上」という)」し続ける
ことになります。
しかも、
「この情報の削除や抹消は、事実上不可能であり、有意で効果的な対策は皆無」
という過酷なものなのです。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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