「言うだけタダ」
ではないですが、もちろん、削除依頼をすることは随意です。
ただ、削除してくれるとは限りませんし、むしろ、削除しない蓋然性の方が高いと思われます。
ネット上の掲示板は多様な意見があることを前提に商売を成り立たせており、また、問題のある投稿であってもそれで人集まりアクセスが稼げるのであればむしろビジネス的にはウェルカムですから、掲示板運営者やSNS運営者サイドが削除要求に簡単に応じてくれない場合の方が多いのです。
担当者が直接投稿者にコンタクトを取るには、匿名の投稿である場合、
1 メッセージ機能や投稿機能を使って直接メッセージを発信する
2 掲示板やSNS運営者を仲介者としてメッセージの伝達を依頼する
3 掲示板やSNS運営者に対して投稿者に関する情報の開示請求をする
のいずれかとなります。
そして、
「3 掲示板やSNS運営者に対して投稿者に関する情報の開示請求をする」
は、
1)まず、最初に運営者に開示請求をしますが、まず、ほとんどの場合、任意の開示請求は期待できません。
これは、運営サイドとしては、
「匿名で言いたい放題言わせる」
ことを基礎としてアクセスを稼ぎ、ビジネスを成り立たせるわけですから、発言内容によって匿名性を放棄させ発言者の個人情報を暴露する、ということを安易に行うことは、運営サイドにとっては自殺行為となり、ビジネスが一気に崩壊する危険があるからです。
加えて、 プロバイダ等は、開示請求に応じなくとも故意、重過失がない限りは責任を負わないため(プロバイダ責任法4条4項)開示を拒否するのが通例です。
2)そこで、次に考えられるのは、裁判所に対して、運営サイドを相手方として開示請求を申し立てる、という方法を検討することになります。
投稿者や発言者の情報を保有している運営者やプロバイダ等に、発信者情報の開示を請求する(プロバイダ責任法4条)という手続きです。
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著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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