企業活動とは、平たく言えば、組織ぐるみでやる金儲けです。
ビジネスや事業活動や企業活動、というと、何やら、高尚で高邁で知的でエレガントな活動のように聞こえますが、実体は、商売であり、金儲けです。
「金儲け」
も難しく聞こえるかも知れませんが、本質的にはかなりシンプルに整理できます。
「金儲け」を単純化すれば、
・安く買って高く売る(卸、小売)、
・安く作って高く売る(メーカー)、
・客に奉仕して手間賃をもらう(サービス)、
・カネを元手にして金融や投資活動でカネを増やす(投融資)、
のいずれかに整理されます。
私の知る限り、これ以外に、金を儲ける方法は存在しません。
もちろん、
「金儲け」
は、個人でもできますし、組織でもできます。
泥棒や強盗といった犯罪活動やテロ行為も同じですが、手間がかかりリスクがある営みは、個人でやるより、集団で行う方が、より大掛かりなことを、より安全でより効率的でより成功確率が高まります。
そういう意味では、
「個人」でやっていた「金儲け」を
「組織」で行うような発想と技術が確立
しました。
これが「企業」と呼ばれるものです。
企業活動とは、単純な金儲けではなく、
「組織ぐるみ」
という点が特徴的です。
そして、
「組織ぐるみ」
でやる上では、
「金儲け活動」のみならず、
「『金儲け活動』を管理する活動」
というものが発生します(個人で商売する上ではこの種の管理活動は発生しないか、備忘程度に発生するだけです)。
管理とは、
管理前提を整え、
すなわち、
ミエル化・カタチ化・文書化・フォーマル化し、
これを前提に、
透明化されたものを共有したり、開示したりして、改善を行っていく活動
です。
管理前提、すなわち、
「金儲け活動」
の様子を、数字(や言語)を使って、
ミエル化・カタチ化・文書化・フォーマル化する活動
は、絶対必須であり、重要です。
透明化されないものは、知覚認知できませんし、知覚認知できないものは制御できませんし、制御できなければ改善は望めません。
企業は、大きく事業部門と間接部門(管理部門)とに別れます。
事業部門は金儲け活動を行っているセクションです。
そして、間接部門(管理部門)は、いってみれば、野球部のスコア係やマネージャーのように、
「 『金儲け活動』の様子を、数字(や言語)を使って、ミエル化・カタチ化・文書化・フォーマル化する活動 」
を行っているセクション、
という整理が可能です。
これが、企業というものの実体です。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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