弁護士に、状況そのものが事件であると言われ、自身も
「この状況は事件だ」
と、受け入れ、認識したのであれば、
「通常、事件被害に遭った合理的人間」として対処すべき一連の行動
をしておくべきことになります。
もちろん、対処行動をせずに放置することも可能ですが、その場合、
放置=黙認=追認
ということを自認したものと扱われます。
腹立たしいことこの上ないと推測されますが、
「『通常、事件被害に遭った合理的人間』として対処すべき一連の行動」
をプロジェクトとして遂行する上では、対処行動のための動員資源(知的資源・事務資源)が必要になります。
無論、弁護士は、専門家として動員資源(知的資源・事務資源)を提供し支援することが可能ですが、カウンターパート(対処行動上の相手方。敵)によっては、非常に、難事となる(=予算が必要であり、かつ、予算がかかっても満足な成果が得られない危険もある)ことを想定しておかなければなりません。
対処方針と行動計画を策定し、着手・遂行する一連の手続きには、相当の時間がかかります。
1)立件するか(事件認識するか=対処行動を取る覚悟を決めるか=予算動員の覚悟を決めるか)、放置容認するか(予算を懸念して捨て置くか)
2)立件するとして、どのような体制(予算規律)で対処するか=弁護士に丸投げするか、一部外注に留めるか、助言のみで自力対処するか、すべて内製化するか
という論点に対処することが必要となります。
予算を忌避して
「放置容認する(予算を懸念して捨て置く)」
という決意をする場合もあるでしょうが、その場合は、不利な状態で、負け戦ないし不利な外交交渉を行う形で対処することになります。
要するに、すべてにおいて、
「予算と尊厳のトレードオフ課題」
であることを頭に入れておかなければなりません。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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