紛争法務戦略構築は、法律知識だけでは対処できないもので、相手の心理や状況に対する想像力の豊かさがポイントになります。
この手のノウハウは、無論、東大でも司法研修所でも教えてくれませんし、法廷に立ったことがなく行政書士みたいな仕事だけで食べておられる予防法務専門弁護士の方々もあまりご存じない領域です。
この戦略構築能力は、修羅場での豊富な経験と、ユニークな経験を汎用的なロジックに昇華させる理論的頭脳の両方があってはじめて習得できるような極めて属人的なもので、弁護士の価値を決める根源的な能力といえます。
どんなスーパーカーもガソリンがないと走らないのと同様、どんな優秀な弁護士が近くにいても適正な報酬が支払えなければ、筋のいい事件でも解決してもらうことはできません。
ですので、勝訴できるだけの材料がなくても、不当訴訟とか難癖つけられないだけの材料さえあれば、カネのない相手にどんどんアクションをしかける、というのは有効な戦略となります。
「主張上はともかくも証拠上は勝ちが微妙な事案」
でも、裁判になった場合には、相手が優秀な弁護士を頼めず、降参して和解してくれた、なんてシナリオも十分描けるはずです。
裁判や弁護士などに縁のない個人が、弁護士名の内容証明や裁判所からの訴状を受け取ったら、かなり具合が悪くなることは想像に難くありません。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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