クライアントが
「事件」
として認識せずに、
「当たり前の話、常識にしたがった処理がされるべきであり、相手方は、当方の主張を当然受け入れるはず」
と思い込んでいる場合、しかも、相手方が
「(言いたいことがあれば)弁護士を呼んでこい」
と言うのであれば、それは完全に
「事件」
です。
すなわち、相手は
「あっかんべー」
して、当方の要求を拒否している状況です。
実は、民事紛争においては、この
「あっかんべー」戦略
は、実に効果的に機能します。
引用開始==========================>
こう考えると、裁判制度は、原告に対して、腹の立つくらい面倒で、しびれるくらい過酷で、ムカつくくらい負担の重い偏頗的なシステムであり、「日本の民事紛争に関する法制度や裁判制度は、加害者・被告が感涙にむせぶほど優しく、被害者・原告には身も凍るくらい冷徹で過酷である」と総括できてしまうほどの現状が存在します。
<==========================引用終了
という厳然たる状況がある以上、加害者である相手方は、自らに有利な状況を最大限利用し、言を左右にして、のらりくらりして、当方の機先を削いでいくのが、(道義的には誤っていても)戦略的には正しいのです。
「『巧言令色鮮し仁』という対処哲学を固持して、のらりくらり、曖昧戦略で、時間稼ぎをして、引き延ばせ」
という外交方針は、作戦指示として正しい、ということです。
まずは、この状況を、 クライアントが
「事件」
と認識するところから、始めなければならないでしょう。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
【本記事をご覧になり、著者・所属法人にご興味をお持ちいただいた方へのメッセージ】
✓当サイトをご訪問いただいた企業関係者の皆様へ:
✓当サイトをご訪問いただいたメディア関係者の皆様へ:
✓当サイトをご訪問いただいた同業の弁護士の先生方へ:
企業法務大百科® 開設・運営:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所