訴訟を提起する前に知っておくべきこと・ただしておくべき誤解・検討しておくべきこと_その3_「ミエル化・カタチ化・言語化・文書化・フォーマル化」にて記しましたが、結局のところ、各種被害事案のミエル化・カタチ化・言語化・文書化・フォーマル化が先決課題となります。
この課題は、法的専門性とは無関係のプロセスです。
当該プロセスは
「法的課題」
などではなく、
「自らが体験した事実の、ミエル化・カタチ化・言語化・文書化」
という単純な事務課題であり、誰もが小学生のときに行った経験のある
「夏休みの日記」や「朝顔の観察日記」と同様、
「国語の問題」であり、
「(新聞記者や事務系公務員勤務経験2年程度の知的資源と事務資源があれば対処可能な)報連相(報告、連絡及び相談)という純然たる事務課題」
です。
これを完遂しないと、嫌がらせも、猫パンチも、ゲリラ戦といった展開も先に進みません。
他方で、過去の状況の想起や整理統合と、観察・想起・認識状況のミエル化・カタチ化・言語化・文書化プロセスを遂行するには、相応の事務資源(知的資源や整理課題遂行資源や言語化・文書化遂行のための資源)が必要となります。
クライアントにおいては、
「そのような資源(単純な事務課題であり国語の問題を遂行する資源)が存在しない」
という場合もあれば、現場において
「こんなくだらないことに時間をかけている場合ではない」
という抵抗も予想されます。
要するに
1)あくまで内製化を志向し、担当や原局・原課に対して、「宿題」の作成を指示し、クライアントにおいて遂行する
2)「宿題」遂行のための資源(単純な事務課題であり国語の問題を遂行する資源)が存在しない、とギブアップし、カネを払って済ませる
という二択になります。
後者の場合、弁護士が
「カンニング、替え玉受験、レポート丸写し」
のための事務資源提供を行うことになりますので、相応の費用がかかります。
クライアント側において、かなり予算が厳しい、という状況であれば、弁護士としては、あえて、コストのかかる提案(言ってみれば、小学校でやっていた夏休み日記課題や、朝顔の観察日記程度の、体験事実や認知内容のミエル化・カタチ化・言語化・文書化・フォーマル化プロジェクトなので、偏差値48程度でできる話ですし)は差し控えることとなります。
ということで、結局は、
1)あくまで内製化を志向し、担当や原局・原課に対して、「宿題」の作成を指示し、御社において遂行する
2)「宿題」遂行のための資源(単純な事務課題であり国語の問題を遂行する資源)が存在しない、とギブアップし、カネを払って済ませる
という二択の対処方向性について、選択を判断しなければなりません。
著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所
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