01896_週刊誌にあることないこと書かれたら

相手を甘くみてはいけません。

「相手となる週刊誌の発行部数の多寡」

「週刊誌を擁する出版社の規模の大小」
は、関係ありません。

そして、
「初手」
を大切にすべきです。

それは、要するに、当初に、相手に
「釘を刺す」
ことが肝要だということです。

「釘を刺す」
というのは多分に含みと冗長性ある言葉ですが、どういう状況をゴールとしてデザインするのか、具体的にしておくべきです。

たとえば、次のような主張を構築しておく(「釘を刺す」)ということは、相手から
「なめられないように」
するためです。

1 そちらが、一定の主張をなしたのは、
「全く根拠がなく、思い込み、決めつけ、憶測、予断、偏見」
によってではなく、それ相応の根拠によるものであろう
2 以上を前提として、そちらの主張の根拠を、ご提示いただきたい
3 今から、根拠を探す、ということでもなかろうし、すでに手元にあるべき根拠を端的に提示するだけなので、時間的猶予とすれば、2週間もあれば、充分であろう
4 2週間以内に、根拠をご提示いただきたい
5 しかしながら、万が一、相応の時間的猶予があるにもかかわらず、根拠を提示いただけなかった、というアブノーマルな状況に至った場合「全く根拠がなく、思い込み、決めつけ、憶測、予断、偏見」によって一方的かつ断定的な主観と印象と感覚のみによる主張を、不特定多数に発信する媒体で、発信した、という事実が、高度の蓋然性を以て推定されるので、以後、当該事実を、有力な根拠として、貴方に対する公の場での対抗言論に援用させていただき、また、今後申し立てるべき貴方に対する各種法的請求において、貴方の有利不利問わず援用させていただく
6 以上の措置は、充分な時間的猶予と機会がありながら、あえて、根拠を提示しない、という自らの選択と判断の帰結であり、貴方自招の結果として、予めあしからず、ご承知おきいただきたい

記事が起因し、世論が盛り上がるようなことになれば、公的機関等を巻き込む(動かざるを得なくなる)ような事態となる可能性も否定できません。

相手が、週刊誌を擁する一企業ではなく、公的機関等となると、戦略を構築し直すこととなります。

なぜなら、
・メンツが大事で、そのためには、あらゆるリソースの消耗をいとわない
・かつ、無尽蔵のリソースをもつ
という特徴をもつ相手と喧嘩することになるからです。

もちろん、うまく喧嘩すれば勝てるでしょうが、相当なリソースをつぎ込む覚悟が必要になりますし、

勘定で戦うのか
感情で戦うのか

を、安全保障課題として態度決定しておく必要でてくるのです。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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