01901_週刊誌にあることないこと書かれたら_その6_人を貶めるような行為の分析・検証2_完

書かれた側として、まずすべきことは、
勘定で戦うのか
感情で戦うのか

を、態度決定をする必要があります。

うまく喧嘩すれば(弁護士をつかって、法的に解決すれば)勝てるでしょうが、相当なリソースをつぎ込む覚悟が必要になります。

そして、一旦、相手と戦うことになれば、どちらかが、
「降参」
するまで、戦いは形を変えて続く、ということを覚悟しておかなければなりません。

解決したようにみえても、攻撃は形を変えて、なされる、と心づもりしておくことが肝要です。

たとえば、あなたは、相手に対話をもちかけ、対話を積み重ねる中で、相手が納得し、自分の行為を反省し、
「あなたを貶めるようなことは、もうしない」
と、約束したとしましょう。

「あなたが貶められる行為」
はなくなり、あなたは、解決したと考えるでしょう。

ところが、しばらくたって、相手は、また、
「あなたを貶めるような行為」
をしてきます。

現実には、このような例は少なくありません。

相手を
「降参」
させるに有効なのは、法的解決であることが、 次のような事例からおわかりいただけるでしょうか。

ただし、それには、
「時間」
が味方してくれないと、訴訟のプロである弁護士であっても困難を極めます。

さて、法的に解決するには、弁護士は、事実関係を5W2Hで聞き出したうえで、次のように検証をすすめていくこととなります。

まず、約束違反した行為は2種類にわけることができます。
A やらないと約束した行為
B 新たな貶めるような行為

その関係性を検証しますと、
1 A=B
2 A≒B
3 A≠B
と、3つにあらわすことができます。

1の場合は、これは、そのまま約束違反だから、約束違反であることを主張すればいいだけです。

3の場合は、やめさせるよう対話に持ち込めばいいだけです。

問題となるのは、2です。

ここで、01918で申し上げた
「事実」と「形容」
の2つから成り立つ話
が、登場します。

2は、
「形式的表現は違っているが、事実(本質)は同じ」
「形式的表現の一部は同じだが、一部を変えてきている 」
というように分析することができます。

2の場合、裁判所に持ち込んでも、こちらの主張が認められるかどうかは、ケースバイケースとなります。

このように、弁護士に依頼すると、弁護士は、分析と検証を重ね、法的解決へとすすめていきますが、一つ注意しなければならないのは、最初から法的解決をすすめるのと、回り道をしてから法的解決をすすめるのとでは、解決の難易度は雲泥の差となる、ということです。

弁護士がいえることは、 やはり、
勘定で戦うのか
感情で戦うのか

を、態度決定をする必要がある、ということですし、もっというなれば、 リソース を無駄にしないためにも、
「できるだけ早く」
「包み隠さず」
相談し、決裁権者が態度決定すること、につきるのです。

著者:弁護士 畑中鐵丸 /著者所属:弁護士法人 畑中鐵丸法律事務所

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